早川書房 (1979/05)
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世間は、安倍総理辞任で騒然としています。彼が夏への扉だと思って一年前に開いた総理大臣への扉は、どうやら夏への扉ではなかったようですね。さて、それはおいておいて、ハインラインの夏への扉は、ヨカッタです。天使が開けた密室が、ちょっとアレだったので、今度は、妙な浮気をせずに買いました。そもそも、一昨日、買おうと思って戸塚の有隣堂で検索端末に「書名: なつへのとびら」と打って検索したら、同名のマンガだけしか検索されず、早川文庫だけに絶版かよ、と思いましたが、諦めきれず、昨日「著者名: はいんらいん」で検索したら、在庫アリと出ました。はい、どうして、書名では検索されなかったのかは謎ですが、入手できたので良しとします。
A・P、
フィリス、
ミックとアンネットほか
世のなべての猫好きに
この本を捧げる
巻頭にこのように書かれており、この本の主役の一人(?)は猫のピートです。彼があると信じて疑わない「夏への扉」、ピートはそれを見出すに至りませんでしたが、主人公のダニィは、彼にとってのそれを見出します。未来に、科学にゆるぎない信頼と希望とに溢れていた時代のシアワセなSF小説です。
主人公は1970年から、冷凍睡眠で2001年へとやって来ます。著作自体は1957年時点ですので、1970年および2001年時点の社会やテクノロジは予測なわけですが、それほど外していないという感じを受けました。そう、舞台を非常にすんなりと受け入れられるのです。これが、物語に引き込まれるひとつの大きな要因になっているでしょう。勿論、冷凍睡眠も文化女中器もフレディも実現していませんし、月や火星などへの定期便も開設されていません。風邪も根絶されていなければ、六週間戦争なる核戦争を経験しながらも核の冬も迎えずに東部アメリカは壊滅していても平然と暮らしていることに違和感を覚えたりもしますが、許容可能な範囲のずれでしかありません。
物語の前半で、会社、特許、そして猫のピートまで次々と失った主人公は、後半で、次々とそれらを取り返していくわけです。タイムパラドックス的な問題はあるんですが、その辺はうやむやに。物語は時間を行き来しつつ素晴らしい展開を迎えます。あっという間に物語りに引き込まれ、そして終わりまで一気です。そして猫のピートは今日も夏への扉を探しているのです。
音っとっと
SF好きとして反応、好きな本の1つでした。
ハインライン、クラーク、アシモフが好きなんです。
ま、三大巨匠ですけど…。
早川のSFは200冊超持っていたんですけど、
引っ越した時に友人へ譲ってしまいました。
宮崎に引っ込んでからは読む機会がなくなりましたねぇ。
たまにはまた読んでみようかな…。
hiro
わたしは、SF者ではないので、つまみ食いみたいに、読んできましたから、こういう名作が、読まれることなく、今まで来ているのでした(^^;;