Industar 50-2/F3.5

L39またはL/Sマウントこと、ライカスクリューマウントのレンズは、フランジバックの関係で、EF-Mマウントにはアダプターを介して装着可能ですが、EFマウントには装着できません。

しかし、ちまたに数多あるスクリューマウントのひとつである、M42マウントであれば、フランジバックがEFマウントの方が1mm程短いお陰で、アダプターが存在しています。勿論、EF-Mマウントにも装着できます。

そんな、より深みにはまりそうなM42マウントのIndustar 50-2/F3.5を、またもやギズモンショップより購入です。もうすっかり思うつぼなのです。

こちらの製品は、当初、ソニーEマウント、フォーサーズ、フジXマウントにのみ対応するチルトアダプターつきでの販売でした。はい、EF-Mは対象外でした。あまりに切ないので、ギズモンショップに「EF-M対応も~」というメールを送ったら、当初は「予定はないが今後の参考に」という返事だったのが、数日すると「扱うことにしました」というわけですよ。なので、こりゃあもう、買うしかない、と、そういうバックグラウンドもあったりしたのです。

ご覧の通り、Industar 50-2いえば、パンケーキレンズなのです。テッサー。F値も3.5で、絞り環はクリックストップなし。レンズ前面にあるフィルター枠を回転させて絞るので、絞り→ピントあわせ→撮影とするのが普通だと思われ、絞り込んでのピント合わせはファインダー覗きながらだと厳しいなあというのが率直な印象。EVFやライブビューなら関係ないんですけれどね。いい時代です。

最短撮影距離は65cmほどなので、そこそこ寄れます。パンケーキレンズなのにアダプターがでかいので、厚みはそこそこ出てしまいます。EOS 70Dに装着すると、非常にいい感じに薄いのですが。

例によってシリアルナンバーから70年製だと推測されます。初期のモノは距離指標からピント環に向かって縦線が引かれており、レンズが繰り出されても、被写界深度指標やピント指標と距離指標の位置関係が見やすくつくられています。後期のモノはこの線がありません。

フィルター径は推定33.5mm。こんな半端なフィルターやレンズキャップは売られていないのでむき出しで使っています。ちょっとコワイ。

一応、戦後のレンズですので、単層とはいえコーティングもされており、多少の逆光耐性はあるようです。また、テッサーですから、境界面も少ないですから、その点でも、逆光でのコントラスト低下はあまり大きくないようです。極端に光源をフレーム内に入れたりしなければそんなに気にしないでも良さそうです。

発色の傾向は、同じくテッサーのIndustar 61や、ゾナーのJupiter-8と似通った感じで、緑が濃く、赤が深い感じです。ボケはぐるぐるボケがでるという話もありますが、まだ見たことありません。テッサーらしく、やや固めのボケです。