Olympus PEN EE-3

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巣鴨のとげ抜き地蔵の市で売られていました。2,000円。3,000円以上だったら値切ろう、1,000以下だったら即決と思って値段を尋ねたらそういわれました。完全に虚を突かれた格好になったわけですが、その値段で購入してきました。

シャッターも切れましたし、セレン電池によるEEも生きているようでした。(レンズキャップをした状態ではシャッターは切れず、向けた方向の明暗によって絞りが開閉しましたので、間違いないでしょう。) モルトはほぼ全滅でしたが想定内。レンズもカビもなく、ファインダーもクリアでした。軍艦部に所々錆が浮いており、また黒の塗装の一部尾禿げていたのですが、まあ許容範囲。錆は早速帰宅したあとで、ピカールで落としました。

PENは、フルマニュアルのPEN Sの系譜とは別に、EEを使ったこのEEシリーズの系譜があります。(他にもDとかFとか、あとはデジタル・ミラーレスの系譜もありますが。)

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EEは、セレン光電池によるEE(Electoric Eye)機構を組み込むことで、シャッター速度優先の自動露出機構を実現しています。シャッター速度は初期型のEEは1/60s固定、後期型のEEから初期型のEE-2までが1/30sと1/250sとの二段階変速、EE-2後期型からEE-3が1/40sと1/200sとの二段階になっているそうです。絞りはD.Zuiko F3.5 28mmのレンズなので、F3.5-F22の範囲。固定焦点でパンフォーカス。フィルムはASA25-400まで対応しています。CANONETの初期型が ASA200までで打ち止めだったのに比べて、ISO400のフィルムが中心の今の市況を考えると、遊びやすいカメラだといえると思います。

写真手前が今回入手したEE-3で、奥が以前、キタムラのジャンクコーナで入手してレストアしたPEN Sです。

レイアウトに大きな違いはないのですが、EE-3はやはりセレン光電池がレンズ回りに配された関係で、レンズ回りが目をひきます。また、フィルムカウンターがくるくる回りながら1ずつ減算されていくPEN Sのそれとは異なりカウントアップ式になり、巻き上げの度に文字盤ごと回ることもなくなりました。レリーズボタンも、PEN Sの四角く天板をフラットに保ったデザインから、丸く飛び出したデザインの一般的なものになりました。細くてストロークが長いので、少々押し込みにくいですが、この時期のEEやAEタイプのレリーズはそのメカニズム上ストロークが長いものが多いのでその辺はこんなものでしょう。

裏蓋は、PEN SやEEのようにそこ蓋が外れるタイプから、蝶番で開く、よく見かけるタイプに変わりました。蓋を開けるには、フィルムの巻き上げノブを引き上げるのではなく、本体側面のそこの部分にある小さなレバーを下に引っ張ります。

他には表面の仕上げが軍艦部はよりつるっとした感じになり、ファインダー部分の黒も、PEN Sが梨地仕上げの塗装なのに対して、つるっとした塗装になっています。撮像面の刻印もなくなりました。ファインダーも、逆ガリレイ式でブライトフレーム用の採光窓があったのが、アルバダ式になり様々な部分で廉価版になっています。

まあ、PEN Sが、被写体と対話するように、絞りを決め、距離を見てピントを合わせ、シャッターを切るのに対して、EE-3は、ざっくりとフレーミングだけ行ってすぱっとシャッターを切ればいいというお手軽仕様であり、マーケットをレイトマジョリティ層へと押し広げるための製品ですから、その辺はあるべき仕様変更でしょう。

本体が、フィルムなしの状態で393g(実測)のPEN Sに対して、313gと、実に80gも軽量化していて、手に持った感じがはっきりと違うほどであり、この辺りも、使い勝手を意識してのことかと思います。(単にコストダウンの賜の可能性もあるが~。)

とりあえず、化粧直しをして、モルトも換装したので、フィルムを入れて、しばらく持って歩こうと思います。24枚撮りを入れるので、50枚程度は切れると思います……。現像するのはいつのことになるのやら?!