とりあえず、曲がりなりにもシャッターが動作するようになったので、実写してみるしかないでしょう。
初期型のキヤノネットはASA200までしかサポートしていないので、まず、ISO100のフィルムを調達するところから。
ジャンク品としてキヤノネットを手に入れた、近所のカメラのキタムラで、ジャンク品のMCフィルターと、HAKUBAの300円のレンズキャップ、それから、エツミのストラップなどとともに、富士フイルムのISO100のパックを購入。たった3本で1,000円越え。恐るべし。
シャッター速度優先のEEというのは、なかなかなじめない感じですが、まあ、カメラにおまかせで撮るのであれば、あまりいろんな事を気にせずに、露出計が指示する方向へとシャッター速度ダイヤルを回してやるだけでいいので、あまり難しく考えることはないのかも知れませんが。
ただ、今、自分が撮る写真が、ボケるのか、それともパンフォーカス気味になるのかは、あまり想像できません。
逆に、動きのあるものを撮る時には、シャッター速度でコントロールできるというのは理解しやすく、また強みにもなるのでしょう。
45mmという画角は、エレクトロ35GLの40mmよりも狭いハズなのですが、ファインダー内ではあまり大きな違いはなく感じました。これはレンジファインダーカメラの場合、ファインダー枠が必ずしも、実際の写真の枠になるわけでもないというあたりが原因なのだと思います。
思ったよりも、色鮮やかに写ります。四隅の光量落ちもほとんど見られず、ただし、こちらは絞り開放とかで撮っているわけではなく、絞りはEE任せにして撮っているので、絞り開放からこういう画質になるのかどうかは定かではありません。
さて、折角、エレクトロ35GLに加えて、キャノネットをゲットしたのですから、同じ被写体を撮り比べてみたくなるじゃないですか。
エレクトロ35GLとキャノネットとをぶら下げて、ふらふらと写真を撮り歩いていると、ちょっと、アホになった気分になりますが、まあ、仕方なし、
とりあえず、うろうろと散歩しながら、撮り比べの対象を探していきます。
子どもの頃、よく遊んだ神社の境内には、本殿の他にも、ご神木やら狛犬やら、なかなかフォトジェニックな被写体もあります。
右の写真は、上がキヤノネットで下がエレクトロ35GLです。以下、何組かの写真を挙げますが、いずれでも同様に、上側がキヤノネットで下側がエレクトロ35GLになります。
レンズは、キヤノネットが、CANON LENS SE 45mm 1:1.9で、エレクトロ35GLが COLOR-YASHINON DX 40mm 1:1.7です。
フィルムとしてキヤノネットがフジのISO100を、エレクトロ35GLはコダックのISO400をそれぞれ使っています。同じにしなかったのは、撮り比べを思いついたときには、既にエレクトロ35GLにはコダックを詰めてしまっていたからでした。
さて、キヤノネットの方がエレクトロ35GLよりも、赤みがかっているのは、フィルムのせいだけでしょうか? どちらも、柔らかい仕上がりですが、キヤノネットの方がよりふんわりした感じに写っています。
近所の団地の中にある、変な形の遊具。これ、井戸なんですよ。上の輪を回すと水が出ます。尤も今は、どこかで栓がしてあるのか、回しても何もでませんけれど。
形と色合いとが面白いので撮ってみました。画角が違うので、キヤノネットで先に撮った後、大体背景が同じ感じになるようにと寄って撮ったら、エレクトロ35GLの方では随分と井戸がアップに。
発色傾向は、神社の社殿のときと同じです。また、日陰だったので、エレクトロ35GLの方は絞りを結構開いて撮っているので後ろがぼけています。確かF2.8だったと思います。
キヤノネットの方もこのときは、露出アンダーの警告……左矢印がでていたので、指示通りシャッタースピードダイヤルを左に回して、速度を落としています。確か1/60秒にしました。
どちらの操作でも、結果的には露出を適正にすることができますが、「ボケ」をコントロールするのはやはり絞り優先AEの方が優れているのがわかります。
僕自身の好みが絞り優先AEなこともあって、絞りを変えながら撮影するのにはあまり違和感がないのですが、シャッター速度を変えながら撮るキヤノネットのスタイルは、なかなか、しっくり来ませんでした。
まあ、「慣れ」とお言うことなのだと思いますから、慣れてしまえばキヤノネットでの撮影も、違和感はなくなっていくのでしょうけれど。
この写真は、井戸の写真と同じ団地の階段、8Fと9Fとの間の踊場から撮ったものです。
団地内の歩道は脇を流れる川をイメージして蛇行しており、河の流れを表すタイルの模様などがあったり、「橋」があったりしてなかなか面白い作りになっています。そんな歩道を上から狙ったものです。
画角の違いがそのまま、写真にでています。この写真のケースでは、赤みがかっているのは下のエレクトロ35GLの方になります。なぜ、この一枚で発色傾向が逆転しているのかはよくわかりません。
最後に比べるのは、最初の組みの写真を撮った神社の境内の狛犬です。暗い被写体はどんな感じに写るのか、見てみたっていう感じです。
色味は、再び、キヤノネットが赤みがかっています。というよりも、この写真の場合は、エレクトロ35GLの方が緑がかっているというべきかも知れません。
写真の印象は、キヤノネットの方が、実際に近いし、感じがいいと思います。ただ、黒つぶれしているところがあったり、決して暗い被写体が得意という感じでもありません。
エレクトロ35GLの方は、つぶれたところもなく、背景がぼけていて、良く出来ました、という感じですが、石造りの狛犬が、銅か何かでさびが来ているのかというような感じに見えるほどに緑がかっているので、ちょっと幻想的というか、リアリティが薄くなってしまっています。
色味に関しては、フジとコダックとの違いなのかも知れませんけれど。
セレンがどの程度生きていて、露出がどのくらい信用できるのかわからないで撮っていましたが、ネガフィルムのラチチュードが広いのにも助けられて、ほとんど問題なく撮れました。ピントももっとずれるかとも思ったのですが、ほぼ問題ない感じで楽しく撮れました。
ボディ下部にある巻き上げや、シャッター速度で制御するというのに慣れていないので、戸惑うこともありましたが、またそのうちフィルムを入れて持ち出してみようかと思います。
今度は、シャッター速度優先が使いやすい、電車のような動く被写体を狙ってみようかなあ。そのときにはまた、感想とともに、写真を載せようかと思います。
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