
キヤノン初のミラーレス機、EOS Mがいよいよ発売されました。当初予告された9月中旬から遅れること半月。ダブルズームレンズキットが先行発売で、その他のボディは10月中旬の発売になります。
勿論、買うならダブルズームレンズキットです。というわけで早速発売日に入手したカメラを持って少しうろうろしたりしながら、その印象をつらつらと書き連ねることにします。
まずは、これまで、サブカメラとして使ってきた、キヤノンのPowershot S90と並べてみます。ご覧のように一回り大きい感じになり、ズボンのポケットに忍ばせることの出来たS90と違って、EOS Mはレンズサイズの関係もあって、ポケットインは無理です。
ストラップを取り付ける金具は、既に発表会のレビューなどで言われていたとおり、幅の細いものしか取り付けられないので、Artisan & Artistの斜めかけのストラップを使おうと思っていたワタシにはちょっとショックでした。当面は同梱のEOSの純正品を使うことになりそうです。
ボディカラーによって仕上げが違うのですが、黒は梨地になっていて、手に取った感じはすべらず、しっくり来る感じです。
重さは、レンズがそれなりに重いために、片手でホールドして撮るようなコンパクトカメラ的な使い方は厳しいかと思います。しっかり両手でホールドして撮れと言うことでしょう。
スイッチ類、ホイール、ボタン配置などはPowershot S90/95/100の系列と酷似しているので、わたしは戸惑いはほとんどなく使い始められました。このあたり、EOS一眼レフ系といささか違うので、一眼レフから来た人はなれるまでは戸惑うかも知れません。
動作はきびきびとしていて、気持ちが良いです。タッチパネルでの設定の変更も、QSET
さて、問題のAFの動作なのですが、これは正直、ミラーレス機の中では最低速の部類に入ると思います。特に像面位相差AFが使えるという一点AFなのですが、これが酷く遅い。オマケに大デフォーカスだと、迷った挙げ句ピンが来なかったりします。むしろ、顔認識+多点AFモードの方がすっきりと合焦します。像面位相差AF自体がまだ、こなれていないということかと思います。ただ、「こんなものかな」と慣れてしまえばあまり気にならないのも事実です。あくまでサブ機と割り切っているからかも知れませんが。このあたりは店頭のデモ機で繰り返しフィーリングを確かめた方がいいでしょう。
EVFがないことは、残念ではありますが、これも、今のところあまり困っていません。が、このケースはやはりファインダーがあった方が良かったなと思ったのがこの写真を撮ったときです。
日曜日は十五夜ですが、関東はおそらく台風の影響下に入るでしょうから、今宵の月を十五夜代わりに撮ってみました。
これは、EF-M EFアダプタを使って、TAMRON AF 28mm-300mm F3.5-6.3 [IF] MACRO (A20E)を取り付けて、マニュアル露出で撮影しています。
流石に、300mm(480mm相当)までズームした状態で、月を捉えるのは、ファインダーなしだと結構しんどかったです。思ったよりも軸がずれていて。まあひいた状態で月を真ん中に入れてからズームすりゃいいんですけれどね。
ISOオートでF11まで絞ったら、勝手にISO 6400まで増感されて、1/3200で撮影してあります。
下は、同じ月をEOS 40Dに同じレンズをつけた状態で撮影したものです。こちらはISOは400になり、F11で1/160で撮影してあります。
なんというか、レンズの解像度の問題なのでしょうか、EOS 40Dの方が、よく見えてしまいます。いえ、ISO 6400という感度のせいもあるでしょうが、1800万画素に高画素化しているから、レンズのあらが見えてしまっているのかも知れません。
EFレンズアダプタは、そもそもそれ自体が重く、EOS Mに取り付けると、前がやたらと重くなります。
なので、ホールドはレンズをしっかり持って、ということになるかと思います。
まあ、普段は、EF-Mの二本で運用しながら、適宜EFレンズを組み合わせて楽しむのが、EOS ユーザがEOS Mを買う場合になるのかなと思います。
連写性能ですが、実は、全然駄目です。ONE SHOT専用だと思った方がいいかと思います。スペックには秒間4.3コマと書かれていますが、この性能は、EFレンズを装着した場合のみ-つまり、コマ間でのAFが働かない状態でのみ出るスピードで、EF-Mレンズの場合は1.2~1.7枚というレベルに落ちます。どのみちAFが遅いから、連写は当てにしない方がいいと思いました。
シャッター音は、ミラーの動作音がないので、結構「かしゅ、かしゅ」といい感じです。
EOSシリーズをお持ちの方のセカンドカメラとして、或いは、コンデジからステップアップしたい人向けとしてなら、オススメできるカメラだと思います。
snapper
ううむ,月の写真は,高感度の影響が支配的過ぎちゃって,画質の違いは...ごめんなさい,よくわかりません:-)
AFの速度は,キヤノンらしくないですね?
これからのファームアップで直りそうな予感がしますが.
#発売時期優先で出した様に見えるので
動画でAFはどうなのでしたっけ?
hiro
画質はおっしゃるとおり。もはやあまり比較の意味はないかもです。ただこのちっこいボディでもちゃんと撮れるということこそが重要かと。
AFに関しては、調べていくと、どうも、ニコン1とは、AF用画素の配置が全く違っていることがわかりました。これがAFの性能を制限している可能性があるのかもしれません。
ニコンはニコン1の撮像面に横一列にびっちりとAF用画素を並べていますが、キヤノンはランダムな配置になっています。
AF用画素は、撮影時には死んでいる画素として処理され周辺の画素情報で補完されますので、固まっておいてあれば確実に画に影響が出ます。どの程度なのかはニコン1の実際の画をつぶさに見てみないとわかりませんが。
AFの性能を優先するとニコン1型になり、画を優先するとキヤノン型になるのかもしれません。
半端な性能しかないので像面位相差AFは使わない方が速い感じです。多分像面位相差AFを作動させて、うまくいかないと結局コントラストAFにフォールバックして動作なんていうことになっていそうです。(うまくいってもコントラストAFは動くのですが、失敗するまでの時間と、結局ほぼ全域を走査することになるからコスト高になる)
動画のAFは非常にスムースで特に問題は見当たりませんでした。普通のムービーと遜色ありませんでした。