はまり道ずぶずぶ

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レジ袋入り

毒を食らわば それまで 皿まで……と、いうわけで、アンプを作りまくっていれば、行き着く先は、大体こんな所になってくるわけですよ。

先週の金曜日、ICアンプ二号機の部材調達で、秋葉原を強襲した際に、春日無線変成器に寄って、気づくと、こんな袋をぶら下げて帰りの電車に飛び乗っていましたよ oTL

もちろん、これは、トランスではありません。いえ、トランスも入っていますけれどね。エレキットよりも安く買える、真空管アンプキットの入門編、6AU8Aシングルアンプキットです。

シャーシの穴開け加工を自分ですれば、ケースの加工代が浮きますが、ケースの加工までやっている時間が取れるかどうか判らなかったので、時間を金で買いました。はい、ケースは穴開け加工済みのモノを買ってきました。道具はあるから、時間が取れる確信があれば、自分で加工した方が楽しいのでしょうけれどね。

キットの中身

お店で、展示されている 6AU8Aシングルアンプの完成品を指さして、「コレのケース加工済みのキットありますか?」と尋ねると、「あります。」と、ケース、真空管、トランス、その他部材、と、ばらばらと出てきて、トランス(電源用と出力用x2)は中身を、真空管は、その場で展示されているアンプに刺して動作確認をしてから、二つの紙袋に分包されて、レジ袋へ。

真空管の検査をしながら、「今、これに合う、プリアンプキットの試作中なんですよ。」と、店の隅にひっそりとたたずんでいる、小さな管が一本刺さったモノを見せてくれました。そうですか、そんなものまで。

シロートなワタシには、ナニがどう難しいのかすら判りませんが、試作に手間取っているらしく「発売には、もう少し時間がかかりますけれど。」とのことでした。是非そうしてください。矢継ぎ早に、散財している場合ではないので(^^;;

無残なヘタクソ空中配線

暢気に半田付けなんてやってられるのは週末と、夜間くらい。先週末は、先に、ICアンプ二号機を組上げてしまったので、こちらは後回しに。以後、夜な夜な、部品をちょっとずつ取り付け、ボリュームに予備配線を施し、配線を少しずつして……ようやく昨晩全ての配線が完了しました。

空中配線は、真空管モノのお約束のようですが、どうもうまくいかないのは、不器用だからに違いありません oTL

熱に弱そうなのは、ダイオードブリッジくらいなものですが、一応ケースがヒートシンク的になっていますし、ヒートストッパもつけてハンダしたのですが、ちょっとひやひやしました。やはり、昔ICやらトランジスタやらをいくつもあの世へと送り込んできた記憶が、半導体モノのハンダ付けへの恐怖となって根付いています。その他、ラグ板の足へ部品やらリード線やらをいくつも突っ込まないといけないので、これが一苦労です。一応ショートしそうな所には絶縁パイプを入れるようになっていますが、変なところがショートしないように、と慎重に組んでいったので、思いの外、時間がかかりました。

何しろ、電源は、AC100V、トランスにより、B電源には高圧もかかりますから、ショートでもしようモノなら、一発オシャカになりそうです。うっかりするとアンプだけじゃなくて自分も。何度も、配線と、特にコンデンサの極性やダイオードブリッジの配線などを確かめ、真空管ソケット周りに貼り付いている抵抗の値と接続を確かめ……ようやく、ヒューズを入れて、電源投入。

さて、A電源からヒータに6.3V来ているかどうか確かめてみるかと、ケースの表側からソケットにテスタ突き立てればいいのに、深夜の半分沈没しかかった頭で、裏側からやろうとして、変なところを短絡したようで、ヒューズが一撃昇天 oTL

予備のヒューズが入っていて良かった。気を取り直して、表側から、ヒータの電圧を確認し、部品から発煙や異常発熱、コンデンサの膨張などがないことを確認して、いよいよ真空管を突き立てます。たてたら今度は、スピーカ端子にテスターを突き立てて、12mV程度の電圧を確認。どうやら、スピーカを一撃破砕するようなこともなさそうです。

6AU8シングルアンプ完成

と、ここに至ってようやく、ケースをねじ止めし、ゴム足をつけて、完成。とりあえず、例によって、いつもの、なんちゃって 2wayをつないで、PCに接続。iTunesから、Billy JoelのPiano Manを選んで、ゆっくりボリュームを上げていきます。

最初、全然音が聞こえなくてどきっとしたのですが、iTunes側のボリュームがやたらと絞られていたのと、考えてみると、ICアンプに使っている10kΩとちがって、こっちは100kΩと、10倍のボリュームが使われているので、同じ感じで開けてたんじゃあ、音なんて出るわけはないのでした(^^;

iTunesのボリュームを普通のレベルにして、気を取り直して、ボリュームを開けていくと、おおっ、なっているなっている!!

とりあえず、昨晩は、この時点で二時になっていたので、そのまま、Piano Man、The Longest Time、Pressure、Stranger、Honesty、そして、Just the way you areくらいを聴きながら、工具やゴミを片付けて、寝ました。エージングにはもっともっと、時間がかかるでしょうけど、とりあえずの感想は、いわれるように、音が柔らかい感じがしました。LM386アンプや、NJM2073 BTLアンプも、PCからの直接出力に比べてかなりしっとりした感じがするのですが、これはさらに柔らかい感じです。かといって、高音がこもって眠い感じになっているとかそういうのではなく、ちゃんと上から下まで鳴っているような感じでした。なるほど、真空管アンプが今でも愛されている訳が分かるような気がしました。エージングが進めば、更に音が変わってくるという話ですから、そういう面でも真空管アンプ、面白いです。

とはいえ、財力の関係で、こっちは、簡単に二号機だのなんだのに手を出すことは出来ませんけれどね。当分は、これで楽しみたいと思います。とりあえず、飛ばしちゃったヒューズの予備を調達してこないと。> 125V 0.5A