東京創元社 (2006/11/30)
売り上げランキング: 199910



昼に、月刊コミックREXを買いに、アトレの有隣堂へいったら、置いてませんでした oTL
あそこの有隣堂は、漫画関係にあまり優しくないからなぁ。仕方がないからこっちは、帰りに戸塚の有隣堂でゲットするとして、手ぶらで帰るのもなんなので、今日の早川さんに、刺激も受けたことだし、手ごろそうなSFの文庫でも買って行こうかなと、グレッグ・イーガンあたり
SFじゃなくてミステリーですが、富士見ミステリーから版元を変えてまで復刊したもののようですから、期待が持てるんじゃあないかと。結論からいうと、そうですね、イマイチでした。まず、導入が長すぎるのです。なんというか、半分以上は導入だったのではないでしょうか。「あたし」という一人称視点の、ライトノベルにありがちなスタイルのため、「あたし」の行動につれて、登場人物が、徐々に現れ、そして、その説明がなされていくので、関係者一同が全て登場するまでが長いこと長いこと。
そして、事件は起こります。密室殺人です。イキナリ主人公が被疑者ですよ。そう、主人公は探偵役ではなく、単なる巻き込まれ体質のヒトでした。真の探偵役は隣人の大学生なのですが、相性が悪いと導入で描いていた人物が、いくら隣人とはいえ、わざわざ殺人事件に首をツッコムとは...。
密室殺人...ミステリーとしては王道とでもいうべき素材でしょうか...の種明かしが始まるのですが、なんといいますか、その、犯人の動機付けが、なんというか釈然としないというか。神視点で見ているはずの読者にも釈然としないものを、伝聞で人間関係を聞いただけの大学生が簡単に解き明かしてしまうという不自然さというのが気になって気になって...。続編が二冊刊行されていますが、ちょっとやめとこうかな?という感じです。昼休みの間に読めてしまうのはライトノベルの面目躍如といったところでしょうが、犯人を推理する気力も起きないのでさらりと流れて行ってしまったというのが正解に近いかもしれません oTL
ただ、表題作の他に「たった、二十九分の誘拐」という短編が、同じ登場人物で収録されているのですが、こちらは、テンポを悪くしている導入もなく、事件の動機付けも納得のもので、ライトノベル・ミステリーとしては中々の出来ではないかと思いました。作者が短編集でも書くことがあったら、読んでみたいと思いました。
コメント