日本以外の全ての陸地が沈没してしまった。国外の有名人が大挙して日本に押し寄せ……。何でも、この夏、映画化されるとかっていう話なので、ちょいと読んでみました。
本は表題作他を収録した短編集で、表題の「日本以外全部沈没」はたった20頁ほど。勿論、小松左京の「日本沈没」のパロディなわけだけれど、物語は、新聞記者たちが集う(故に、情報を求めて、日本に住み着いた著名外国人たちも集まる)バーのみを舞台として、展開し、最後を迎える。原典に対して、大変、ちっぽけなスケールで展開するのがまた面白い。でも、オチはどうだろう? まぁ、こんなものか?
表題作を含め、収録された短編はみな60年代〜70年代に発表されたもので、当時の世相がよく判っている世代ほど面白いのだろう。ボクには正直ちょっと、掴みかねるものが。万博、学生運動などがモチーフとなっているからだ。このあたりの記憶が鮮明なヒトにはより面白いのだろうと思う。
スージー
このあたりのヒトです。(^^;
当時(っていつやねん)は面白かった気がしますが、今読んだらどうでしょう(本棚にはあると思いますが)。エリザベス・テイラーやらフランク・シナトラなんて出てきませんでした?映画はちょっと面白そうですけども。
筒井はSF系ドタバタも面白いですよ。「マグロマル」とか「最高級有機肥料」とか。SFじゃないけど、「経理課長の放送」には笑ったなぁ。
最近、京都に行ったのですが、「ご朱印状」というものがあちこちにあって、ほぼ同世代の筒井ファンと盛り上がりました(大きな声でいえませんが、「郵政省(実はちょっと字が違う)」参照)。
hiro
「おいおい。シナトラが東海林太郎のナンバーを歌いだしたぜ。」で物語が始まります。はい、出てきます、フランク・シナトラ。エリザベス・テイラーは街角で売春していたような気がします。
ご紹介いただいたの、そのうち漁ってみようかと思います。ありがとうございます。