では、グラタンに独自のものというのはなんでしょう?
ひとつは、RS5C372Aというリコー製のRTCです。これは玄箱でも利用されていますね。CPUとは二本のラインでI2Cで接続しています。これのドライバは、グラタンのソースCDの中のlinux-2.6.10-iop1/drivers/i2c/chips/の下に入っています。但し、これも既述のように、2.6.10 → 2.6.16の間にデバイスドライバのIFが変わっているので、2.6.16のそれに合致するように修正する必要があります。
他のものとしては、PCIバス周り(標準のIOP3XXの設定はslot0 に GbEが、slot2がPCI-Xで1,3は未使用)が、全スロットPCI-X扱いになっているとか、AEC62XXで常にUltra DMA/66を利用するようにしていること(mode = 4になるようにべた書きしている。もしかしたらこのあたりがHDDを選ぶ所以かもしれない。)や、ROMのマッピングを強制的にオフセット0からするとか細かな修正が入っています。理由は良くわかりません。ええ、わかっていませんから。また、システムの停止時、電源断の際に、独自のshutdown_portに値を書き込んでいます。pm_poweroff()などの後に呼ばれているので、標準のシーケンスでは電源は切れず、この処理が必要なんだと思われます。他には、LEDを点滅させたりブザーを鳴らしたりするコードが追加されています。
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