W-ZERO3向け開発環境でお困りのアナタ

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WILLCOM携帯アプリプログラミングブック
布留川 英一
毎日コミュニケーションズ (2006/03)

数ある、W-ZERO本の中で、これは「役に立つ」一冊といえると思います。まず、題名からも明らかなように、これは、プログラム開発を志向するユーザに向けた本です。勿論、内容も、誰が為の本なのかわからないようなことはありません。W-ZERO3のみならず、WX310SA/JのJava環境を使ったプログラミングにも言及しています。CEでのプログラミングを含めて、あまりこのあたりは書籍になっていないので、ウェブで探すよりも本にまとまっているほうが嬉しいという向きには、お勧めの一冊ではないでしょうか。

プログラムの作成は、WXシリーズも視野にいれた Javaによるものと、W-ZERO3のみにターゲットを絞ったC#.NETによるものに言及しています。内容は、C#とかJavaが何なのか位は判っているが、プログラムをそんなにガリガリしているわけではない、という層に向けた感じです。特筆すべきは、Visual C# 2005 Express Editionを使って、無理矢理W-ZERO3向けの開発をするという記事が Appendix aにあることです。かなり無理矢理で、デザイナなどは当然、Windows用のものを流用し、.NET Frameworkもそうなんですが、その中の、.NET Compact Frameworkでもサポートされているもののみを使い作成し、最後にコマンドラインのcscと、W-ZERO3からちょいと拝借した、DLLを合体させて、WM5.0用のコードに仕立て上げるという手法なので、デバッガも使えなければ、うっかり.NET Compact Frame未サポートの機能を使って地獄へ落ちるとか、そういうことはあるかもしれませんが、19,800円と手間をはかりにかけたら、手間を取るというヒトには絶賛お勧めです。勿論、本を買うまでもなく、見つけられる情報ではあるとも思いますが。