
ついでに、折角だから、両方の軍艦部の写真をぱちりと。左が35Sで、右は35のものです。違いは一目瞭然?
35Sは、金属の巻きあげ歯車を使っていますが、35はプラスチックになっています。ドイツ製のものはここは金属だったそうなので、コストダウンを計ったと言うことなのでしょう。同じシンガポール製でも、35Sは贅沢な構成だと言うことなのでしょう。
それでも、基本的な部品。ゴッセンの露出計や、コンパ-シャッター、カールツァイス設計のテッサーまたはゾナーというレンズは変わっておらず、描画に影響のあるような変更は一切ありません。
それにしても、このサイズに収めるためにされた工夫はすさまじいモノがあります。ファインダーユニットを掃除するために外そうと思うと、巻き上げ機構をハズさねばならず、コレが面倒だったりもするのですが、この構造ゆえに、このサイズなのかと思うと感慨深くさえあります。
現代の電子機器とはまた違った、個性や工夫が製品にあふれていた、そんなよき時代を強く体現しているメカだと思いました。こういう時代はもうやってこないのかなあ?
なお、余談なのですが、35の方の軍艦の裏には、こんな走り書きがされていました。
角が傷んでいるなあと思っていたら。どうも、凹んだのを撃ち出して直したようでした。
だからなんだというわけではありませんが、流石に古いカメラだし、様々なオーナーの手を渡り歩いて、今ここにあるんだなあと思いました。
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