MINOLTA HI-MATIC E

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つい、数日前に、FUJICA GE Rに手を出したばかりだというのに、今度は、MINOLTA HI-MATIC Eですよ。だって、キタムラのジャンクコーナが小出しに出してくるんだもの。

ちなみに、お決まりの500円。

1971年製で、GE Rよりも若干早いですが、設計思想的には非常に近いカメラです。

要するに、EEに全てを任せる、ということ。絞りやシャッタースピードを操作することは出来ず、フレームを決めて、ピントを合わせて、シャッターを押すだけ。フラッシュがついていれば、フラッシュも適宜自動で発光するという、全自動カメラです。

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電池も、お決まりのMN-H水銀電池なので、これをどうにかしないといけません。おまけに、電池がないとシャッターが切れない、つまり、巻き上げも利かない、ということで、ジャンクコーナで動くかどうかはさっぱりわからないままという状態。

見た目には、前玉がカビでうっすら白濁。ISO設定のリングが斜めにかしいでいる、ということはわかります。

とりあえず、レンズを掃除する必要があるので、前から、カニ目回しで銘板、ISO切替リングを外し、前玉のカニ目を回して、レンズを摘出。クリーナで磨きます。二酸化セリウムまではいかないでも大丈夫そうだったので、とりあえず、よしとします。

リングの歪みは、どうも誰かが、無理矢理フラッシュシンクロの設定リングを回して(本当は脇にあるつまみを押しながら回す)、中にある設定用のピンの上に、リングが乗り上げてしまったためにひずんだ用でした(- -;)

どうして、「力ずく」で動かそうとするのやら……。とりあえず、ピンとリングとが正しい位置に勘合するようにして、元通り閉めていきます。レンズもすっかり綺麗になって収まりました。

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電池は、例によってLR44x2で代用するのですが、電池を縦に入れるGE Rと違って、横向きに入れる必要があるので、単なる筒状のスペーサーで調整するわけにいきません。

そこで、単四電池を単三にするスペーサーをMN-H電池と同じ高さになるように切断して、単四電池用の電池ボックスを分解して取り出したバネを仕込んでその上にLR-44x1を乗せることに。同じものをもう一つ作って、それぞれを電池ボックスに収納します。この時点でシャッターが作動するようになりました。が、巻き上げが動きません。

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やはり、軍艦を開けないとダメらしいです。

軍艦を開けてよくよくユニットを観察すると、シャッターレバーが底まで押し下げられると、二重巻き上げ防止装置を引っかけているアームを持ち上げて、バネの力で巻き上げを留めているツメを動かし、巻き上げが出来るようになる……はずなのですが、何故か、ツメが半端な位置で止まってしまい、巻き上げが出来ない状態のママになっていました。

なんと、ユニットそのものが、本来あるべき位置よりも、巻き上げダイヤルの方へ傾いていて、それで、ツメが本来あるべき位置まで移動しなくなっていました。おそらく、これも、巻き上げロックがかかった状態で、無理無理巻き上げレバーを動かそうとしたために、ユニットが引っ張られたのだと推測されます。前のオーナーはどんだけ無茶したの?

ここも、歪みを直してやったら、巻き上げもきちんと動くようになりました。機械は、動かないからといって、無理矢理動かしてはダメなのです。それは、単なる破壊活動に過ぎないのです。