さて、色々段取りのことを書きましたが、そんな段取りを踏んで、めでたく太陽光パネルの設置工事と相成りました。
朝9時頃業者さんがやってきて作業開始。終了したのは、午後4時過ぎだったと思います。屋内と屋外の作業を平行して進めましたが、最終的には、屋外の方が時間がかかったでしょうか。
以前は、施工に関しては、メーカはかなりゆるーく臨んでいたようなのですが、トラブルが多かったり十年保証などの関連でなのか、最近は、かなり施工業者に対する、指導・要求が厳しいものとなっているようです。この辺が時間がかかる要因の一つになっているかもしれません。まあ、家にあちこち穴あけますし、取り付けるシステム自体も高額なものなので、きちんとやってもらうに越したことはないのですけれどね。
設置するものは、大きく分けて次のようなものになるかと思います。
- 太陽光パネル[屋根]
設置用架台
配線
太陽光パネル本体 - 接続箱[屋外]
- 売電用電力メータ[屋外]
- アース[屋外]
- パワコン[多くの場合室内]
- 太陽光システム用ブレーカ[屋内]
- モニタリングシステム[屋内]
このほかに、自律運転用のコンセントを屋内に引き回す工事をする場合もあるかもしれません。まあ、施工主さまのご意向次第と言うことかと思いますが。我が家は特にそういうことはせず、とりあえず、自律運転のコンセントはパワコンから直接取り出すことにしておきました。
太陽光パネルの設置は、主に屋上での作業となります。メーカや施工業者にも寄りますが、我が家の場合は、樽木に固定用の金具を打ち込んで、防水のコーキング処理をした後に、レールを乗せて架台を構成し、その上に、パネルを乗せて、配線を引き出していく。という手順で行なわれました。
まあ、自分が実際に屋根の上に上がって、作業を見たわけではないので、本当にそのように行なわれたのかどうか、というのは、事後報告で、業者さんから見せられた作業の様子を撮影した写真と、少し離れた小高い場所から、望遠で覗いていたことからしか判らないのですが、概ねそのように行なわれていたようです。
いい加減な施工が行なわれると、後に雨漏りしたりすることもあるようなので、ここは結構重要なポイントだと思います。配線は、4回路分を、パイプに入れてまとめ、北側の隅から、接続箱へと引き回されていきます。
接続箱は、屋内と屋外とをつなぐユニットで、太陽光パネルから来る電力線を一つにまとめて屋内のパワコンへと送り込む装置になっています。
屋外に置かれ、一般にはいたずらなどされないように、ある程度の高さの所に置かれると思います。
中には、回路ごとのブレーカ、および、全体のブレーカが入っていますが、作業用のものとのことで、普通、我々がそこにさわることはないそうです。
パワコンの背面には穴が穿たれていて、そこから、屋内のパワコンへと配線されています。
接続箱には、もうひとつ。事故防止のためにアースが配置されています。
アースは、エアコンなどと同様に、庭の土の中に設置されるのですが、多くの家電製品用のソレのように、30cm程の短いものではなく、1.2m程の長さの銅の杭を、およそ1mほど離して二本埋設し、それぞれが、100Ω以下の抵抗値であることが、メーカから義務づけられているのだそうです。
なので、その長い杭を打ち込んだあと、業者さんが、電力線のアース端子との間で電気抵抗を測定していました。
アース自体の敷設は、エアコンでも、ガス給湯ユニットでもやっているのを見ましたが、抵抗値まで測定しているのは初めて見ました。
求められる、施工のレベルの高さに感心してしまいました。ちなみに、我が家のアースは二本とも21Ωだったそうです。裏を返せば、こういった作業をせずに施工している業者は「アヤシイ」と言うことでもあるかと思います。
売電用の電力メータは多くの場合、既存の電力メータの隣に設置されると思います。
我が家の場合は、既存の電力メータの位置がちょっとビミョウに悪くて、新設用の隙間が上手く取れなかったため、既存のメータをずらして、売電用メータのための隙間を稼ぎ出しました。
このため、既存のメータの移動で一回、その後、電力メータの交換で一回と、二回の停電が必要になりました。
電力メータは電力会社の管理になり、設置も電力会社から委託された業者が行ないます。これは一般的に太陽光の施工業者とは別になります。
我が家の場合は、電力会社のチェックと系統連携が翌日ということになっていたので、誰もが、明日、メータの取り付けと交換に来ると信じて疑っていなかったのですが、ちょうど、このメータ用の取り付けパネルを取り付けた辺りで、電力会社の業者が急襲。メータの交換と売電用メータの設置を行なっていきました。
一度で済んだのはいいのですが、業者の車が沢山うちの周辺に停まったために、ちょっと大騒ぎでした。近隣の皆様ごめんなさい。
業者さんの話によると、電力メータの工事は、アポなしでいきなりやってくるのが普通だとか。これから導入を考えている方はご用心。まあ用心したってどうにもならないのですが。
ちなみに、向かって右が売電用の新設メータ。左のメータも既存のものだと、太陽光の分が売電に回ると逆転してしまうと言う愉快な仕様らしく「逆転しない」メータに置き換えられました。なお、太陽光の恩恵をフルに活かすために、電力契約を、明日、従量Bから、ナイト10へと変えるので、もう一回メータ交換が行なわれます。というか、明日、交換されます。なんて無駄な手間かけているんでしょうか?
うちの太陽光との連携もさることながら、東電内の、工事のシーケンスの連携が十分にできてないのが気になります。人件費も無駄にかかるだろうに。それも我々の電力料金に転嫁されているから気にしないってことなんでしょうかね?
さて、屋外の設置物はこんなところで、残りは屋内の設置物になります。
まずは、パワコン-パワーコンディショナーです。27cm×49cm×15cm程の巨大な箱で、上20cm、下30cmあけないといけないらしいです。つまり、結構大きな何もない壁面が必要になります。
おまけに、太陽光発電中には、いわゆるモスキート音が出るので、耳のいい人、子どもなどにはそれなりに耳障りな場合もあるようです。
湿気に弱いので、浴室周りはかんべんな~、ということらしいですが、そんなこといっても分電盤のあるあたりに置きたいし……ということで、うちは脱衣所に設置してしまいました。
まあ、実際問題は、こまめに換気されていれば問題ないそうです。これの有無にかかわらず、湿気がこもるような状態にしておけば木造建築の我が家は腐ってしまいますので、そもそも、換気しないなんてコトはありませんから大丈夫でしょう。
残りは、ブレーカとモニタリングシステム。
これは、太陽光パネルからの電力と、屋内との電力線とを接続しているもので、ここを切断すると、太陽光発電システムが電力系統から切り離されます。
この状態でパワコンを起動すると、自律発電モードになり、パワコン横のコンセントから、最大で1500Wの電力を取ることが出来ます。が、太陽光ですので、安定的に、1500W引き出せるとは限りませんので、充電器をつなぐくらいが関の山だと思われますが、ないよりはマシです。
モニタリングシステムは電気の売り買いの様子をモニタリングするための装置で、パナソニックの場合は、電波で、リモートのモニタ装置に情報を飛ばしています。つまり、これは、そのための無線ユニットでもあります。計量法に基づく装置ではないので、発電量の正式な積算などには使えませんが、まあそういう情報も蓄積できるようです。
多くの太陽光システムユーザが、5年程度でパワコンの故障に見舞われているようで、そういった不調をいち早く検出するためにもこのモニタリングシステムは不可欠なので、システム全体の中でもそれなりに重要なパーツだと思います。
ここまでの取り付けが全て済んで、施工は完了と言うことになります。電力会社の検査=系統連携が済まないと、太陽光システムを運用することはできないので、簡単なテストが済んだところで、ブレーカとパワコンの電源は落とされました。
あとは、明日行なわれる系統連携を待つばかりです。冬の関東平野は、晴天率も高いので、日照時間が短い冬期とはいえ、それなりの発電量があるのではないかと、今から楽しみでもあります。
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