Debian化、はまりみち

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

あまり特殊な環境は、セキュリティホールなどの手当にかかる手間も多ければ、拡張性も低いので、最初からDebian化することに決めていました。

玄箱/PROは、ARM9ベースのCPUを使っていて、Etchまでの Debianでは、EABI/OABIの問題がありましたが、Lennyからは、正式にEBIがサポートされ、さらに、玄箱/PROもサポートしているので、手間なく、Debianになる……はず、でした。

Debian化については、エレキジャックのサイトで、詳しく触れられているので、そのやり方でインストールすることにします。必須ではないけれども、シリアルコンソールがあった方が色々安全そうなので、玄箱/PROと一緒に、SCON-KITも購入しておきます。SCON-KITは、キワモノ扱いで、玄箱/PROのUSB0のスルーホールコネクタに、ピンを半田付けしてやる必要があり、しかも、これをやってしまうと、玄箱/PROの保証もなくなってしまうと言う、強烈なキットですが、結果的にコレがなかったら、全くお話にならなかったので、そんなことを気にする人は、Debian化などしちゃいかん、ということでしょう。

普通は、起動チェックくらいしてから、やるんですが、ちょっと時間的にタイトだったので、いきなりSCON-KITを半田付け。よい子はまねしてはいけません。デバイスドライバをダウンロードしておけとか書いてありますが、Windows7は、勝手にネットワークからダウンロードしてデバイスドライバをインストールしてしまいます。

玄箱/PROの電源を入れると、起動シーケンスがターミナルの画面に表示され、最後に、AAのサングラス男が現れて、ログインプロンプトとなります。ここで、debian-lenny.tar.gzを、指示通りに、’\\kurobox-pro\mtd device\’にコピーします。特に何もしなくても、LAN上のPCからこの通りに見えていました。よくできています。

玄箱/PROにログインして、/mnt/mtd で、展開して、/mnt/mtd/InitDisk1.sh を走らせると、あとは、一気にインストーラが起動します。が、ここで、最初のはまり道。エレキジャックのサイトで配布されている debian-lenny.tar.gzに入っている、uImage.buffalo, initrd.buffaloが古いため、インストール中に、「カーネルモジュールが見つからない」といって、インストール出来なくなってしまいます。(正確には、強行できるが、強行した結果がどうなるかはわからない。)

なので、InitDisk1.shを起動する前に、/mnt/mtdに出てきた、この二つのファイルを、ftp.debian.org:/debian/dists/lenny/main/installer-armel/current/images/orion5x/netboot/buffalo/kuroboxpro にあるファイルで置き換えます。これで、インストール中に、カーネルモジュールが見つからないというエラーは起きなくなります。

さて、インストールの様子は、エレキジャックのページに詳しく出ている通りなので、あとは、その通りにやるだけなのですが、この後に更にもう一つの大きな落とし穴がありました。

全てのインストールが終わり、リブートされて、ログインプロンプトにたどり着いたので、ユーザを作ったり、必要なディレクトリを掘り、exportsやらsambaやらの設定もし、sshを、公開鍵でのみログインできるようにし、ntpなどのツールも導入し、設定し……さあ、では、シリアルコンソールのために、外しっぱなしだったフェイスパネルをはめて、設置場所に移動して、起動……あれ、全然立ち上がらない oTL

再び回復して、シリアルコンソールに繋いだら、rootパーティションのマウントに失敗したとかでtftpをかけに行っては死に、またかけに行っては……と言う状態になっていました。シャットダウンしたときに、スーパーブロックを壊したか、と思って、再度クリアインストールしたものの、リブートではびくともしないのに、シャットダウンをすると起動できなくなるというまか不思議な状態になってしまいました。

フラッシュから起動させると、HDDのパーティションは全てマウントでき、つまりHDDが壊れているワケではありません。フラッシュのuBootの設定やら、なにやらを散々チェックして、結論として得られたのは、どうも、bootcmdに設定されている ‘ide reset’が、電源投入直後だと、うまく動かないようで、ide resetをもう一つ挟み込んでやったら、きちんとブートするようになりました oTL

これは、必ずこうなる、というわけではなく、HDDとの組み合わせによって起こる問題だと思います。とはいえ、これで丸一日を棒に振ったのかと思うと、げんなりでした。