らくがき

ヴェネツィアの興亡を描いた、全六巻の文庫版の後半三冊です。ローマ人の物語の長大なことに比べると、まぁ描かれている期間も短いし、交易と共和制を中心とし、傑出した個人に拠らなかったヴェネツィアを描くとなると、この程度のコンパクトさになるのも自然なことなのかもしれません。

交易と、外交を駆使して、第一級の海洋都市国家だったヴェネツィアも、周囲から台頭してくる君主制陸上国家によって、相対的に弱体化していきます。そして、ついに十九世紀を目前に滅亡を迎えます。