イタイ人キタ!

  • 投稿日:
  • by

ドラえもんは太すぎて、家の廊下を歩けない!?——アニメのお宅の間取りを拝見

「ドラえもん」や「サザエさん」など、漫画やアニメに描かれた主人公の住まいを間取り図で紹介する本が登場した。建築家の著者が作品から推測して作図した。

どうして、歩けないのかな? と、見出しに引かれて見に行きました。実は、間取りを調べてみたら、廊下の幅が5cmしかないとか、或いは、ドラえもんの「少し浮いている」という足のメカニズムに問題があるのか、なんて思っていたら……ものすごい、「イタイ」ことが書いてありました。

例えばドラえもんの野比のび助邸は木造2階建てで、5つの部屋と台所がある。廊下や階段の幅は畳の横幅と同じくらい。「ドラえもんは、身長・胸囲・頭周りがすべて129.3センチということになっているが、これでは廊下は歩けない」と影山さんの分析付きで紹介している。

おおっ、確かに、日本家屋の場合、一般的には、廊下も階段も幅は90cm程度。広いというメーターゲージのものでも、1m程と、129.3cmを通すのは無理だ...なんて思ったヒトは、小学校の算数からやり直しが必要です。この建設コンサルタントの人もネ。

ポイントは、胸囲および頭周りが129.3cmということ。身体の幅や頭の幅が129.3cmではないんです。人間の場合は、割と横に広い楕円的な断面ですが、ドラえもんの場合は、頭も胴体も、輪切りにすれば真円であると考えても差し支えないでしょう。

はい、ということは、頭囲、または胸囲が129.3cmということは、その断面直径は41.16cm程。円周が与えられた場合の直径は、円周÷πですから、129.3/3.1415 = 41.16cm程ということになるわけです。畳の横幅(90cm程度)がある廊下なら、二人並んでも通れますね。

何を分析したのか、空間把握が求められるであろう「建設」コンサルトの人がコレでは、現場で大工さんが図面通りに作ろうとしたら、階段が二階の廊下でふさがれて上れない(うちの実家の図面はそういう図面で、結局二階の間取りを六畳三部屋から、六畳二部屋+四畳半という構成に変更して、ようやく二階に上がれる階段が作れた。大工さん曰く「図面を引く人は意外とこのあたりが判ってない。よくあること。」とのこと。)とか、そういう家がごろごろなのは不思議ではないですね。