紀州より

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早なれ寿司めはり寿司と早なれ寿司

お昼を買いに、三越へ行くと、紀州物産展が来ていました。この手の物産展は、地方の名産をいただけるので嬉しいのですが、大抵は、判で捺したように「駅弁」ばかり持って来るのです。ところが、紀州は一味違いましたよ。駅弁ではない、めはり寿司となれ寿司が来ていました。

めはり寿司は新宮の駅弁にもあるそうですが、駅弁版は、車内で食べることを考慮し、小さく小分けになっていて、めはり寿司らしさ(めはり寿司の由来は、目を張るほど大きいとか、大きいので食べるときに目を張るとか、或いは隙間なく高菜の浅漬けで包むからなどといわれているそうですが、概ね「大きいこと」が肝心であるようで。)が損なわれているといえなくもないものの様子。が、これは、本来の、大きい塊で、食べ応えもしっかりしています。

さらに、なれ寿司。本なれ寿司と早なれ寿司とがありましたが、今日は早なれ寿司にしました。本当のなれ寿司は、所謂「本なれ」で、塩飯に鯖を乗せてアセの葉でくるんで重石をして醗酵させたものだそうですが、癖があるので、現代人の嗜好にあわせ、また短期間で出来る、酢飯を使った「早なれ」が主流になっているとか。アセの葉も、プラスチックのもので代用しているのが多いらしいです。が、今日、買ったのは、アセの葉もがっつりホンモノを使っていて、本物志向のものでした。早なれ寿司には、鯖が片身のものと一匹使われているものとがありましたが、片身でも十分すぎるボリュームでした。ぶっちゃけ、しめ鯖の寿司なわけで、鯖が好きなら、誰にでもおいしく仕上がっているといえるでしょう。美味美味。

さて、めはり寿司については、昨年春に北米出張した帰りの飛行機の中で、機内誌にて、紀州の寿司紀行的な記事で紹介されていたのを読んだのが出会いでした。(勿論、鯖のなれ寿司も紹介されていましたが、なれ寿司はそれ以前から存在は知っていました。)アメリカで、アメリカナイズドフード漬けでいたので、その紹介記事のなんとおいしそうに見えたことか。いつか、紀州へ行って、絶対食べる、そう強く思ったものです。

未だに、紀州行きは叶っておりませんが、今回、思いがけず、めはり寿司となれ寿司とを味わうことが出来たのは、なんともラッキーでした。とりあえず、あと、本なれを、来週、どこかで昼食に食べようと画策しています。やっぱり、ホンモノの方も味わってみないと、デス。