運慶

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金沢文庫にある、称名寺で発見された、運慶の現在確認されている中で、最晩年の仏像、大威徳明王坐像を見に行ってきました。現在、金沢文庫にて公開中なのです。

高校の大先輩にあたる方が、運慶の専門家でもあるということで、その方の生解説付きの、まぁ、うちの高校のOB・OGのオフ会でもあったわけです。五日の朝日の朝刊には、ちょうど運慶の特集が出ていたので、それを予習として読み込んで、金沢文庫の駅に集合。

ぞろぞろと、金沢の坂を登って、称名寺の境内を抜けて、隧道通って、金沢文庫へ。称名寺の本尊のレプリカの前を通って、2Fの展示場へ。六面六手六足の大威徳明王坐像はおわしました。(仏像は、欠損があり、六面六手六足ではなくなってしまっていますが、同じ部屋に、本来のお姿の画が展示されています。)いやいや、小さいけれど、小さいだけに細かく作りこまれています。これが運慶かぁ、と、わかったような、判らないような、でもありがたい感じがすること、迫力があることは間違いありません。

仏像のひみつ
仏像のひみつ
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山本 勉
朝日出版社 (2006/05/27)
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5 仏像人気の秘密を知る
5 寺が親戚なので、、、
5 美術の本ではなく、
実は仏教の本だった、、、、、、

運慶作であることが特定されたのは、内蔵されていた文書が、解体修復作業の過程で、発見され、そこに、記されていた内容から。この文書の実物も一緒に展示されています。文書の大半は、仏の魂たる部分、大威徳明王を顕す梵字を100書いて、百体の大威徳明王がいるのと同じにしてあるとか、そんな内容です。つまりほとんど梵字。

で、その最後の数行に「1216年に運慶が作った」ということが記されていたわけです。書いたのは運慶本人ではなく、「運慶」の字が間違っていることから、運慶とは縁遠い誰かが書いたんだろう、なんてことを解説してもらいながら見ると、ぼーっとみているのとは全然違います。急に運慶や仏像に詳しくなった気がします。もちろん気のせいですが(^^;;

金沢文庫には、この像のほかにもそもそも、運慶にゆかりのある書面などが多数あるのだとか。同じ展示室には、そういった文献も展示されていました。あまり見ているヒトはいませんでしたが。

専門家に教わりながら見て回ると、ただ、漠然と回るのとは違って、色々勉強になった気がします。専門家がいない場合は、こんな本などを読んでから行くと、楽しいかもしれません。その大先輩の著作です。

じっくり、一時間半以上かけて、展示を見たあとは、金沢文庫で、そして上大岡でと、反省会(笑)を行なって、GWの締めくくりとしては、非常に高尚な時間をすごした気がします。ええ、後半は、ただのんだくれていただけだとしても(^^;;

まだ、しばらくは公開されていますので、このチャンスに、是非、鎌倉時代に思いを馳せてみるのはいかがでしょうか?