137億年で誤差0.4秒 超高精度時計へ一歩
原子時計の精度を一気に千倍も引き上げることができる「光格子時計」の基礎実験に東大と産業技術総合研究所・計測標準研究部門(茨城県つくば市)のグループが成功し、19日発行の英科学誌ネイチャーに発表する。実現すれば、理論上、宇宙が誕生した137億年前から現在まで動き続けたとしても0.4秒も狂わない正確さになるという。
ものすごい精度の時計だ……と、素直に感心する反面、少なくとも、単なる時計として使うのであれば、現在基準として使われているセシウム原子時計で充分だとも思うわけです。どうせ、時計に有意な誤差が生じてくるであろうころまで、少なくとも僕は生きていないし、人類だってひょっとすると、いや、しなくても、いないかもしれませんから。
記事には「長さの精度も上がる」とありましたが、そのあがる精度もそれほど、必要なものとも思えない程度の違いではないでしょうか。原子の大きさが大体Å(オングストローム=1×10-10m)のオーダなわけで、既にセシウム原子時計から得られる精度でも充分にこのレベルをクリアしています。これ以上小さなものを果たして、計る必要性があるんでしょうか。うーんと長い距離になれば、誤差が小さいほど、積算で得られる長さも正しくなるでしょうが、太陽系の片隅で、月まで行ったのか行かないのかという程度でもめている人類には高々38億km程度の距離を測るのに充分な精度があればいいんじゃないかという気もします。
いえ、もちろん、学術的には大変に有意義なことなんだとは思いますが。
学術的な見地という点では、もうひとつ記事で触れられていた、アインシュタインの相対性理論の実測という可能性が、いいなぁと思いました。
でも、だとすると、この時計、持って歩いていると、狂ってくるということですよね、基準時間に対して、どんどん……。でもそうして考えると、我々は、個々人で本当に生きている時間が違うんだということでもあり、なんだかとっても哲学的な時計だと感じます。
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