Z80を使ったシングルボードコンピュータ、Z80 MBC2を作りました。回路図や、ガーバーデータが公開されているので、プリント基板は簡単に発注できます。わたしはElecrowに発注しました。10枚できてきちゃいましたが。面倒くさいという方は、オレンジピコショップでも購入できます。
あとは、パーツは普通に手に入るものばかりです。Z80はCMOS品で8MHz以上であれば使えます。クロックアップを目論んでいるなら、より高速なものを入手された方がいいでしょう。
RTCモジュールは、何故か電池の充電回路があり、これを無効化しないと安価で長寿命なCR-2032を利用できませんので無効化しておきます。具体的には、基板上のSLCという表示の隣にあるチップ抵抗を取り除けばいいそうです。
ATMega 32Aはブートローダーが書き込まれていませんから、シリアル経由でスケッチを書き込むことはできません。ICSPポートに、AVRライタをつないで書き込むことになりますが、Windows10では、USBappでは書き込みがうまくいきません。ドライバを無理やりインストールすれば、デバイスは認識されますが、書き込みがエラーになります。Arduino UNOを使って書き込む方法が簡単でいいと思います。1,000円程度で入手できますので、一つ確保しておいて損はないと思います。
あとはシリアルでPCに繋げば即遊べます。Z80全盛の時代を思うと、こんなに安価に、こんなに簡単にZ80のSBCが手に入るのは、とてもすごいことだと思います。
Z80 MBC2は、多くのSBCが起動用にEEPROMを使ってファームウェアを供給しているのに対し、ATMega 32AをROM兼モニタとして利用しているところにあります。CP/M3.0をサポートし、128KBのSRAMを利用しています。
I2C接続のSDカードを利用でき、ディスクイメージが提供されているので、すぐにCP/Mで遊ぶことができます。ROMでMBASICやFORTHも提供されていますが、どちらもCP/Mで利用できますからあえて利用することもないでしょう。RTCモジュールも利用できるので、時計機能、カレンダー機能も利用可能です。
CP/M関連のソフトは多数入手可能になっていますので、結構遊べると思います。私自身、CP/M世代なので、楽しくて仕方ありません。
SDカードはI2Cなので、驚くほど遅いですが、フロッピーディスクを思えば、それほど違和感はありません。ディスクを交換することもないので、CTRL+Cを押し忘れて地獄へ落ちることもありません。
CP/MはWindowsへと繋がるOSの祖先ですので、昔を懐かしむ人だけでなく、こんな単純なシステムが、広く普及していた時代があったんだと、歴史の一端に触れてみるのも悪くないんじゃないかと思います。
Z80packなどのエミュレーション環境もありますが、"ホンモノ"の持つ説得力は格別です。
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