Q10の魅力の一つは、つけたレンズの焦点距離が35mm換算で5.5倍になると言うこと。ということは、300mmの望遠レンズが1,650mm相当にもなるわけですよ。
まあ、こんなにもアンバランスな格好になるわけですが。
とはいえ、まともに、1,500mm超の望遠レンズなんか買ったら、1,500,000円コースな訳で、それが、ホンの数万円のレンズで実現できるのだから、やって損はないのです。
しかし、そんなにうまい話ばかりでもないのも事実。5.5倍になるということは、つまりは収差も5.5倍になって襲ってくると言うこと。それから、このQ-EFアダプタはタダの筒なので、レンズシャッターのない、即ちローリング歪みが発生するという事を意味し、ついでに言うと、このレベルでは最早ボディ内手ブレ補正で補正しきれるレベルを超えてしまっているので、手ブレで歪むレベルと言うことでおあります。
そんな素晴らしいコンディションで撮った作例をば、二点ほど。
まずは、これ。東京湾を往く、ヨットと貨物船。見れば解りますが、ヨットにも貨物船にも盛大にパープルフリンジが出まくってやがります。
まあ、予想されたこととはいえ、ちょっとしおしおになります。ちなみに、EF-S 60mm F2.8 MACROをつけて330mm相当の望遠レンズとして撮影したときにはここまで荒れてはいなかったので、レンズそのものの素性も大きいのかも知れません。300mm単焦点のLレンズを持ってくればきっと1,650mmの解像にも耐えるのでしょうが、高倍率ズームにそこまでのクオリティを求めるのは酷というもの。
もう一つの作例はこれ。月ですよ、月。満月は昨日だったような気がしますが、まあそんな感じの月。本当は火星と一緒の所を撮ろうと思ったのですが、両方を収めるにはちょっと離れ過ぎだったのと輝度差が大きすぎました。
シャッター速度を1/800s / ISO100で撮影していますが、絞りは開放の6.3。まあ、トリミングなしでこの大きさで写るのだから美事です。
もっとパープルフリンジが出るかと思ったらそれほどでもなかったです。まあ、それよりも、月をフレームにいれ続けるのもしんどかったし、ちょっと気を抜くとすぐローリング歪みが出てしまって月が丸じゃなくてなんだか変な形に写ってしまって大変でした。
この手の撮影を楽しむには、レンズシャッターの入ったQ-Kマウントアダプタの純正品を買って、Kマウントレンズで楽しむか、EF-Kマウントアダプターを買って、Q-KマウントアダプターにEFレンズをつけるかするのが正しいのかも知れません。まあ、ローリング歪みだけ気をつければ=三脚たてて動体撮らなければ、このままの構成でいいんでしょうけれど。
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