ローマ人の物語~迷走する帝国

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ローマ帝国も三世紀に入り、いよいよ凋落の傾向を強めていきます。73年間に22人もの皇帝が入れ替わり立ち替わり即位し、その場凌ぎの政策や法律の乱発の結果、徐々に、ローマは、ローマを強大な帝国たらしめていたものを自ら捨て去り始めます。単行本ならばXIIにあたる、文庫(32)(33)(34)は、このローマが徐々に崩壊していく部分を描いています。

政局不安定は、通信手段がハイテクノロジー化した二十一世紀の現代でさえも、政策の継続性にとっては無視できない障害をもたらす。(中略)皇帝がしばしば代わる(73年間で22人。1?2年どころか3ヶ月で謀殺された皇帝もいた。)ことによる政策の非継続は、帝国の統治上、深大な影響をもたらさずにはおかなかったのであった。(文庫版前書きより抜粋)

この、皇帝がころころと代わる様を描いた巻を読んでいる時に、奇しくも、福田首相の突然の辞任表明を聞きました。わずか二年で、二人の首相が辞めたわけで、その、ころころと代わる様は、没落していくローマ帝国にひけを取りません。なんとも、先行きが不安になるじゃあありませんか。蛮族の侵入はないですが、技術立国で戦後を乗り越えて成長してきた日本が、やれゆとりだなんだと、自分たちの強みをポイポイと捨ててきた様も重なって、内から崩壊していくようなそんな錯覚に捕らわれます。