ローマ人の物語(27)

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ローマ人の物語 (27)
ローマ人の物語 (27)
posted with amazlet on 06.09.28
塩野 七生
新潮社

ここまで、歴史の流れに従って描かれてきた、ローマ人の物語のシリーズですが、この巻とその次の28巻だけは、流れと関係なく、ローマ人が、ローマの歴史の中で築いてきた、インフラについて、インフラごとに、その始まりから、中国や現代との比較を交えながら、語られています。カラーグラビアなども入っていて、かなり趣が、従来のシリーズと違っています。

ローマといえば、この巻の副題でもある「すべての道はローマに通ず」に象徴されるように、街道が、思い浮かびます。面白いことにローマの街道はすべて、拠点を中心に放射状に広がっていて、街道と街道をつなぐような横の道があまりありません。折りしも、今日、京葉線が信号回線破損によって、終日混乱していましたが、千葉県西部のあたりには、ローマの街道のように、東京から東西に伸びた鉄道路線はあるものの、それらをつなぐ線がほとんどなく、これが混乱に拍車をかけたようです。まぁ、古代においては、街道が通れなきゃ、徒歩や騎馬なのですから、脇へそれればすむ話で、網目状になってないことはあまり問題ではなかったのでしょうけれど。