2008年11月13日 11:13

WL-330gEで無線LANを共有せよ

いや、別にしなくてもいいんですけれど。今まで、出張には、NETGEARのトラベルルータ WGR-101を持って行っていました。これ、小さくて、それでいて、十分な機能があって、非常に良好だったわけですが、ひとつだけ弱点がありました。

WGR-101(左)とWL-330gE(右) ポーチ

インターネットへの接続は有線に限られてしまう、ということです。なので、この縛り故に、ホテルは有線LANのあるところを選ばざるを得ない状態でした。何故か出張の時には、一ヶ月以上前なのに、もう、予約が一杯です、とかいわれて、無線LANしかない、ホテルになってしまったときなど、VAIOとPSPとWindowsMobileの端末をそれぞれ繋いだ日には、三倍もの勢いでチャージ発生ですよ。赤い彗星だってビックリですよ。

それに、無防備に、無線LANに接続すると、外からどんな攻撃に晒されるか判ったものではありませんから、その都度、ウィルスバスターの防火壁の設定を、家庭内用から、公共のLAN用に変えないといけなくて、これも不便っていえば不便でした。さらに、機器ごとに、そのAPのSSIDやらなんやらを設定しないといけなくて、これも面倒。

WL-330gE(上)とWGR-101(下) 内容物

こういった、不満を一気に解消してくれるのが、この、WL-330gEなわけです。トラベルルータに、無線LANの共有機能が付いたもの、と思えば大体あたりです。

写真を見てもらえれば判ると思いますが、ポーチも本体もアダプタも一回りWGR-101に比べて小さいです。イーサケーブルは、短いのしか付いていませんが、WGR-101にしてもこのケーブルは、設定のために、PCに直結したときくらいしか使いませんでしたので、長い必要性はほとんどないと思います。実用上はこれで十分。WL-330gEには無線LANの子機がないですが、この製品がeeePCの周辺機器としてラインナップされていることを考えれば、当然ともいえるでしょう。代わりに、USBから電力をちゅるちゅるするケーブルが付いています。昨夜、設定をするときにも、このケーブルで、電源を取っていましたが、何本も長いケーブルを這い回らせる必要がないのは、非常にいいです。コンセントの口数に不安がある場合にも安心ですし。

さて、買ってきたら、勿論、まず設定をしないと行けません。勿論、設定などしないでも使えなくはないですが、通信は暗号化ナシ、管理者パスワードも出荷時のママでは、どんな悪いことをされるか判りませんから、最低限の設定は、どんなことがあってもしなければなりません。

トラベルルータと異なり、モード切替スイッチなどは存在していませんので、単に、デフォルトのIPアドレス、192.168.1.220にあわせて、無線でも、有線でもいいから繋いで、ウェブブラウザを開きます。大抵のブラウザで大丈夫だと思いますが、一応 IE5以降が推奨なんだけれどー、みたいなことはいわれます。PSPのブラウザでは詳細設定は出来ませんでした。なお、言語は英語とドイツ語と中国語と、あともう一個何か *1 からしか選べませんので、英語が全くわからないという場合には、お手上げです。

ブラウザを繋ぐと、簡単設定画面が出てきます。複数のタブから成っている、ウェブ画面が表示されているはずです。ゲートウェイモードと、その他のモードとは、ハード的なスイッチではなく、ここのタブを切り替えることで、実現されます。デフォルトではゲートウェイモードになっています。

ここで、SSID、暗号化の設定を行ないます。SSIDは勿論、defaultなんていう巫山戯たものではなく、きちんと設定するべきだし、暗号化も、Nintendo DSとかCLIEみたいなヘタレなデバイスを繋がないのであれば、迷わず、WPA-PSKを選ぶべきです。WEP 64bit/128bitも選べますが WEPには既に暗号化の意味はないので、基本的には避けるべき。

ここで、HotSport Sharingという項目がひっそり存在しているのですが、これを Enableに変えると、無線LANを共有できるモードになります。Enableにすると、勝手にあたりから、使えそうなアクセスポイントを探し出して、ページの下の方に一覧で出してくれます。SSIDが公開されているAPなら、このリストから選んでやれば、それをインターネットアクセスへのパスとして使います。非公開のものなら、自分で、定義を書いて足してやる必要があります。いずれにしても、たったこれだけのことで、無線LANを、無線LANで共有できるようになります。

ただ、簡単設定画面から出来ることは、これだけなので、どうしても詳細設定へ、一度は行かないといけません。が、この詳細設定画面の作りが非常に悪くて、フレンドリーではないのがこの製品の問題点の一つだと思います。いずれにしても、最低限、次の三つは詳細設定画面を探って、変更しないといけません。

  1. 管理者パスワードの変更
  2. SSIDのブロードキャストの停止
  3. MACアドレスによる接続制限

あと、必須ではないですが、192.168.1.220というアドレスが気に入らないなら、これも変えることが、ここからなら出来ますし、DDNSを利用することや、NAT、ロギング、UPnP、DHCPなどの各種設定もここから行なえます...というか、ここからやらねばなりません。取っつきにくくても、一度は通らねばならぬ道です。

左側に表示された、カテゴリっぽいものをクリックして、右ページに出てくるフォームの値を変えて、下にある、"Finish"乃至は、"Apply"を押すというのが基本です。ここだけ聞くと大したことはなさそうですが、カテゴリ分けがイマイチ適切でないのと、"Restore", "Finish", そして "Apply"と三つ並んだボタンの、"Restore"はともかく、"Finish"と"Apply"はどう違うのかとか、一応ページの下に「英語で」書いてありますが、直感的でないのはよろしくありません。まぁ、Applyは設定を書き込むだけ、Finishは即時に反映までさせる(大抵はリセットを伴う)ということです。

まとめて、いくつもの項目を変えるときには、"Apply"だけしていって、最後にまとめて反映させたいところですが、Applyを押したときの挙動が、項目によって微妙に違うのが、また、悩ましい...というかデザインが悪いところだと思います。Applyを押して、そのまま設定を継続して変更できる場合と、"Save & Restart"とかいうボタンがぽつんと表示されて、リセットしないと進めないゾー、的な強制を行なってくることもあります。

実際は、無視して、画面左のカテゴリをクリックして、他の項目の設定へ移動できるし、そうしても、設定はきちんと変更されて保存されているのですが、どうもイマイチ、法則性というか心がつかみにくいです。

で、無視し続けて気づいたのですが、どうやら、この設定画面には、リセットだけを行なう、という機能はないようなのです。つまり、Save & Restart しておかないと、後で、リセットだけしようと思っても、それは通らない、ということのようです。で、Save & Restartが出るかでないかは、設定変更を有効にするのにリスタートが必要かどうかということで決まっているようです。いや、本当にそうかどうかは判りませんが。とにかく、リスタートを強制的にしたかったら、電源をぬいて入れ直す位の方法しかなさそうなので、設定を完了したところで、すぱっとそれをやってやればいいでしょう。このあたりもデザインの悪さだと思いました。好き好きかも知れませんが。

内容物には、220ページにも及ぶ厚いマニュアルと、数ページの薄いマニュアルが付属し、CD-ROMに、ユーティリティ(開封もしていないのでそれが何なのかは知りませんが)と、オンラインマニュアルが収録されていますが、220ページのマニュアルの、実質的な内容は9ページ程度 *2 で、解説不十分。で、設定画面のデザインが醜悪と来たら、これは使い手を選ぶ道具であるといわざるを得ません。ある程度、無線LANやルータの知識や設定・運用の経験がある人以外は、あまりオススメ出来ない製品であるということを、購入後に知りました。

ヨドバシカメラでもアマゾンでも取り扱いがないのは、無線LANを無線LANで共有するという怪しげな機能故というよりも、このあたりの設定の難度の高さ故のことかもしれないと思いました。便利そう、と、飛びつく前に、大丈夫そうか、一度、よく考えてからの購入をお勧めします。身近に詳しくて設定も面倒見てくれる人がいれば、詳細設定なんて一度してしまえば、それっきりでしょうから、簡単設定画面だけで生きられるので、ぐっと閾値が下がりそうですので、この辺も含めてお考えください。


*1 : 忘れた
*2 : 9ページ程度の内容が25カ国語で書かれている。WL-330gEはeeePCの周辺機器という扱いなので、それだけ、eeePCがワールドワイドに展開している証左だと思う。英語と日本語に関しては表記はそこそこまとも。笑える超訳は見あたりませんでした。なお、目玉機能と思われるHotSpot Sharingに関しては、何故か、英語と日本語の説明のみしかありませんでした。公衆APの普及はアメリカと日本が歩突出していて、他の国ではニーズが低いということなのかも知れません。