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honto

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一昨日、職場近くの文教堂で買い物をしたら、honto,jpのポイントカードはいかがですか?と勧められた。

文教堂は、独自のポイントカードサービスをしていたはずだが、そっちのカードは「使えません」といわれた。勝手にサービスを停止しているとは恐るべし。> 文教堂

それはさておき、このシステムの面白いところは、買い物すると1%ほどがポイントになるのは、まあ何も珍しくないのですが、購入した書籍が、勝手に「マイ本棚」に追加されていく点。ただし、これは電子書籍ではないので、中身を閲覧することなどはできませんが。

購入履歴が残るようなモノなので、うっかり重複購入とかいうことは減らせそうです。蔵書管理にもなりますしね。

尤も、今でもリアル書籍の購入先は有隣堂か密林がほとんどなので、このサービスがそういうところまで広がっていかないと実際の蔵書管理には役立ちませんし、Sony ReaderとかKoboとかといった電子書籍端末での利用もできないDNPグループのhonto.jpから電子書籍を購入するつもりもないので、あんまり僕個人のメリットはないのですけれどね。ダウンロード期限もあって、電子書籍の利便性も低いですし。> honto.jp

文教堂、丸善などや、honto.jpの電子書籍の利用が多い人、こういう面白い機能があるなら積極的に利用したいという人にはお勧めかもしれません。

真空管工作 - 大人の科学マガジン

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帰りがけに、書店に立ち寄ると、大人の科学マガジンの別冊「真空管工作」が出ていました。七極管の1A2を使ったダイオード検波一球レフラジオを作れるキットが入っています。学研得意の電池管。006Px3をB電源に、単二電池一本をA電源に使うようです。

改造して、一球スーパーにする記事も出ていました。一瞬ぐらぐら来ましたが、とりあえず、おちつけ、と、買わずに帰ってきました。3,150円は、頭を冷やせと、自分にブレーキをかけるに十分な額です。逆に、2,000円切っていたら衝動買いしていたに違いありません(^^;

レフレックスラジオは既に、トランジスタのモノをちひろと組み立ててあるので、今さら感が強い上に、真空管を使っている良さみたいなモノが感じられるのか、判らなかったのでパス。レフでよければ、自分で、部品買い集めて作ることも出来そうだし。……でも気になる(^^;;

夜桜四重奏(4)

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アニメ化決定だそうで、おめでとうございます。年内に、あと二冊、単行本が出るようですが、アニメ化するのに、原作のストックが足りているのか、ビミョウに気になる今日この頃。まぁ、アニメと原作は別物というのが、最近は、フツーのことなので、気にすることもないのでしょうが。

とりあえず、前巻から続いていた、隣町の町長問題は、決着です。少しずつ、彼らの直面している問題と、その背景が明らかになってきていますが、こういう、一寸出しの進み方……好きです。幕間に挟まる、日常の本筋とのギャップがまたたまりません。七郷に隠された意味が明らかになったあとも、暢気に七郷巡りのスタンプラリーを町内あげてやったりと、この超越したというか達観したというか、彼らの強さみたいなものが垣間見えてイイ感じです。そんな四巻。もちろん五巻へのひっぱり、そしてヨザカルもバッチリです。

黄金の魔女が棲む森−悪しき天使のさずけし時間(下)

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悪しき天使のさずけし時間 下
麻木 未穂
徳間書店
売り上げランキング: 2037

早くも下巻の登場です。麻木先生、筆が速くて、待たされると言うことが少ないのがウレシイです。事件はカルタゴで起こっているのに、上巻ではそこにすらたどり着かなかったシフ。今回もたどり着くまででさえ、時間がかかりました。実はこれ、(中)じゃないのか、というくらいに。

今回は、ここまで九冊と違い、物語の進行が緻密というか、段取りよく進んでいったように思いました。何か違う。違いは、シフが主導権を持っていないと言うことでした。はい、今回はシフはとある事情で、わりと流され気味で話が進んでいきます。いつものように、引っかき回して行き当たりばったり、ということがないので、そう感じたのでした。そして、明らかにあるあれやこれや。明らかにならないまま残ってしまったそれ。などなど。必見です。

亡霊は夜歩く

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亡霊は夜歩く<名探偵夢水清志郎事件ノート>
はやみね かおる
講談社 (2007/01/12)
売り上げランキング: 115040
おすすめ度の平均: 5.0
5 教授に恋人?
4 切なくて、でも学園祭の規模が・・・
5 質の高さが素晴らしい

名探偵 夢水清志郎が活躍する、シリーズ第二作の文庫版。学園祭で賑わう虹北学園に巻き起こる、亡霊騒動。名探偵 夢水清志郎の推理は?!

虹北学園に起こった、十五年前の悲劇と、校則の問題。子どもたちに問いかける内容ですが、同時に、子どもだった人たちへの、問いかけでもあります。推理とは別に、深く考えさせられます。

この巻で、岩崎三姉妹の長女亜衣に絡んでくる、クラスメイトのレーチが登場します。この後、どう絡んでくるのかが楽しみなキャラですが、さて。

そして五人がいなくなる

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そして五人がいなくなる<名探偵夢水清志郎事件ノート> (講談社文庫)
はやみね かおる
講談社 (2006/07/12)
売り上げランキング: 37762
おすすめ度の平均: 4.5
5 たぶん最高傑作
4 名探偵見参
3 青い鳥

はやみね かおるの名探偵夢水清志郎シリーズの一作目...ということになるらしい。既に、幾度も版を重ね、版を変えしているので、「何を今更」的な本ですが、出あったのが今更なので、仕方ないのです。

物語は、「それは四月の一日(ついたち)−−よく晴れたエイプリル・フールの日のこと。わたしたちの町に、名探偵が引っ越してきたの!」と、いう書き出しで始まります。そう、事件を名探偵のそばで見聞きするものの一人称視点でのミステリ。ちょっと前に、がっかりするようなヤツを読んじゃったので、これもソレか……と、思って読み始めたのですが、大間違いでした。面白い。

物語の展開はスピーディ。登場人物は魅力的。トリックはとりたてて奇抜ではないけれど、これは子ども向けの性格もあってのことかもしれない。これは、是非、シリーズ続編も買って読まなければ...と、そう思いました。ミステリは取り立てて好きなジャンルでもないのですが、これはよかった。後で、ちひろに回してもいいし。

神様家族Z-読了

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オンラインではどこも、未入荷のようでしたが、有隣堂にいったら、平積みされていましたよ。神様家族Z—仮免天国……有隣堂のオンラインショップ、本やタウンでも、店頭在庫ナシになっていたのに、結構いい加減だのー。

ソレはともかく、買ったからには、読みました、貪るように。テンコと佐間太郎が、やり直した人生はどうだったのか、美佐は、メメは...そういや、ネコもいたような気がしたけれど、どこ行っちゃったんだろうか...とか、色んなことを「まあ、色々あって、今に至る。」で片付けて、佐間太郎は神様に、テンコは大天使になっちゃっていました。進一や愛ちゃんもポジションを変えて登場しますが、これは、また、新しい、神様家族なのです。後は読んでのお楽しみ。

神様家族Z-仮免天国

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神様家族Z−仮免天国

人ひとり救えないやつが 神様になれるか!!!
……てことで仮免です。

神山佐間太郎は、神様である。といってもまだ先代の神様で父の治から引き継いで間もない、新米の神様。その姿は、世田谷の築ン十年の家に住むごく普通の高校生の少年だが、でもでも神様なのである。そんな佐間太郎を、普段はクラスメートとして、家では神山一家ごと家事全般までサポートするのが大天使のテンコ。二人は今日も人々の願いを叶えたり、不幸から救ったり、でもそれが勘違いだったりしている。「お前が『たまたろー、あの少年を助けてあげぽえー』とか言うからだろ!!」……成長したんだかしてないんだか。そんなわけで! まだ“仮免”神様です!! お待たせしましたハイパーアットホームコメディのゴッドな新作、ついに登場!!

アマゾンからメールが届きました。神様家族Z—仮免天国発売の案内です!! 神様家族最終巻の発売から二年弱も間が空いたので、すっかり忘れかかっていました。本当に出るんだ!!

アマゾンは22日発売と表示していますが、そのくせ、未だ予約しか受け付けません。MF文庫のページでは25日発売になっています。どっちが正しいのかはともかく、Coming Soonなことは間違いありません。イラストは引き続き、夜桜四重奏も絶好調なヤスダスズヒト氏。

黄金の魔女が棲む森/悪魔の子を孕みし魔女(下)

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黄金の魔女が棲む森悪魔の子を孕みし魔女 下 (3) (TOKUMA NOVELS Edge)
麻木 未穂
徳間書店 (2007/12)
売り上げランキング: 2357

はい、一ヶ月待たされた、悪魔の子を孕みし魔女の完結編です。いや、レギウスの魂が何処へか去ってしまってからだと、何ヶ月でしょうか。物語中では、一年以上経過していますが。さぞや寝たきりだったレギウスもしんどかったでしょう(チガウ)

とりあえず、一安心しました。胸のつかえが下りたといいますか。登場人物も増えましたし、道中の掛け合いを、元ユリウスは覚えているのか、覚えていたらどう考えているのか。増えた登場人物は、この先、どう関わってくるのか。シフはどう理由付けてコンスタンティノポリスへ戻るのか……などなど、気がかりなことは山ほどありますが、それはそれ。今後の展開に期待しましょう。

ところで、アマゾンの'(3)'ってナニ?シリーズ通巻でだったら'(8)'だし、上・下だったら'(2)'ですが……。真ん中に鏡を置いてみてくださいってか?!('3'の中心にそって縦に鏡を置けば'8'に見えるでしょう? ...ってそんなハナシなわけは無く、上中下だと勘違いしたっていう可能性が一番高いですかね?)

まちまち (1)

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まちまち 1 (1) (アクションコミックス)
かがみ ふみを
双葉社 (2007/11/12)

ひたすらくすぐったいラブコメです。背が低いのが悩みの古賀君と、背が高いのが悩みの高木さんのでこぼこ恋愛ストーリー。両想いなのに、この身長差の悩みが邪魔して、なかなか距離が縮まらない二人。それでも、ゆっくり、少しずつ、少しずつ、些細な、でも当人たちには深刻な悩みを乗り越えながら近づいていきます。

すんばらしくラブコメしていますので、じれったいし、くすぐったいし、そんな感じをどっぷりと味わうことが出来ます。ほのぼのした絵柄の様に、内容もほのぼのしています。ココまでのところは、意地悪な展開や、ライバルとの三角関係?!のような、ある意味お約束な話は出てきません。そういうのでヒヤヒヤしたりハラハラしたりはしません。ひたすら、身長差ゆえの問題でギクシャクしたり仲良くなったりする二人です。

ねこめ〜わく(5)

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ねこめ~わく 5
ねこめ~わく 5
posted with amazlet on 07.10.04
竹本 泉
朝日新聞社出版局 (2007/10/05)
売り上げランキング: 229

忘れた頃に新刊が出る、新刊が出る頃には出版元が変わっている、恐怖の不定期刊行本、ねこめ〜わくの最新刊です。今回も出版元が変わっていました。(朝日ソノラマから朝日新聞に。これは先月で朝日ソノラマが廃業したからですね。)百合子が高校生だった頃には、こっち(?)の世界での百合子の様子も描かれていたのに、浪人してからこっち、すっぱりと描かれなくなったのは、飽きたから? そんな百合子も一浪の後に教育学部の女子大生になったということが、さらりとあとがきに書いてありました。

毎回、少しずつ、どうしてこんな猫の世界が出来上がったのかというようなことに触れられるのですが、今回も一応触れられています。恐らく、猫がここまで人間の文明を維持しているのは「想定外」だったのだろうと。依然として、どうして、猫に知性を与えて人間が去ったのかは明らかになっていませんが。そうそう、竹本作品には不可欠(?)な、火星人と、トカゲ型異星人が、猫たちの世界には存在していることも明らかになりました。ただ、どうして火星人が猫たちに干渉して来ないのか、トカゲが侵略に来ないのかはかかれていませんが。いずれ、トカゲ侵略はあるのかもしれませんけれど。次は...再来年の春あたり?

MAGI×ES

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MAGI×ES 魔法小路の少年少女1 (MFコミックス)
竹本泉
メディアファクトリー (2007/09/22)

竹本泉の新作です。得意の(?)魔法少女モノです。勿論、竹本泉の魔法少女モノですから、変身しません。魔法がアタリマエに存在している世界で暮らす少女モノです。といっても、今回は、多少、非公然と魔法が存在している世界のようですが。一応長編(?)モノで、一巻ではある程度の登場人物と背景を説明したところという感じでしょうか。この先どう転がるのか、見当もつきませんが...(^^;;

あと、「原作付」なんだそうです。「原案協力:御船よいち」となっているので、この方(ナニモノ?)がそうなのでしょう。原作付でも、全く竹本泉テイストは損なわれていないので、そういう意味では安心ではないかと思います。ちょっとテイストが違う感じがするのは、名前ですかね。人名も、町の名前、店の名前どれをとっても、割と普通。変ではない。だからといって作品の感じが変わってしまうほどではないのですが、かすかな違和感。だからなんだというわけではないんですけれどー。とりあえず、二巻以降を待ちますか。

世界の中心で愛を叫んだけもの--ほぼ読了

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世界の中心で愛を叫んだけもの
ハーラン・エリスン 浅倉 久志 伊藤 典夫
早川書房 (1979/01)
売り上げランキング: 3831
おすすめ度の平均: 4.0
5 これって、アメリカそのものでないの?
4 無音
4 もっとエリスン作品が読みたい

ほぼ読了--というのは、まだ最後の「少年と犬」がちょっと残っているからなんですが、かなり食傷気味というか、ぶっちゃけ、ボクと、ハーラン・エリスンの感性が全くあわないというか。読んでいて疲れました。物語を読み解く力が明らかに不足しているので、ボクの手には負えません。何年かして、もう一度本棚から引っ張り出したら、違う感想を抱くかもしれませんが。

多分、訳もあまりよろしくないのでしょう。というよりも、日本語に訳すのには向いていないんじゃないかと思います。いえ、原書を見たわけではないので、タトな可能性もありますが、ナンというか、訳すのに苦労するような言葉も沢山使われているように見受けられます。原書を読んだらまた違う感想を抱くかもしれません。尤も、文章の読解力もさることながら、英語のそれも相当に困ったチャンなので、余計に意味不明になる可能性も否定は出来ませんが。

とりあえずは、一旦これは忘れて、とりあえず、昨日買ったSoftwareDesgin誌と、今日、後で買ってくる予定の Digital Camera Magazineでも読んで気分転換することにします。

ちほう・の・じだい

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ちほう・の・じだい
ちほう・の・じだい
posted with amazlet on 07.09.18
梶尾 真治
早川書房 (1997/09)
売り上げランキング: 330627
おすすめ度の平均: 4.5
5 ハートフル
4 一通り揃ってカタログ的な短編集

これも、今更、ですが、読んだのは随分以前。知人(どうもその節はありがとうございました。> iOさん)からいただいた本で、ふと本棚から手にとって、読み直してみたのです。これは、梶尾真治の短編集で、表題作他、計十一篇のSF短編が収録されています。どれも大変読み応えのある面白い短編だと思います。

知人は、田中芳樹の七都市物語(大転倒が襲った後の地球は七つの都市に分割され、月からの支配を受けていたが、月の人類は疫病で死滅。その後の七都市の興亡を描いたSF作品。)のパロディである、アンナプルナ平原殲滅作戦が収録されているということで(七都市物語をボクが好きなのはいうまでもないですね。)これをくれたのです。この作品だけは、先に七都市物語を読んでいないと面白くないでしょう。何しろ徹底的にパロディなので。他の十篇は予備知識ナシにも読めます。

特に面白く感じたのは、「時の果ての色彩」という作品の「時間」というものの設定でした。これが氏の独創なのか、どこかにモチーフがあったのかは判りませんが、案外こんなものなのかもしれないなぁと、妙に納得させられるような、そんなものでした。詳しくはネタバレになるので書きませんが。時間モノなので、当然の様に出てくるタイムパラドックスは、それはそのままに放置という潔さも大変によかったです。(尤も、そんなものに頓着していたら、短編ではなくなってしまうだろうから、それ以外に方法はなかっただろうけれども。)軽く、どこから読み始めても面白いので、ちょいと本を読みたくなったとかいう時にオススメです。

たったひとつの冴えたやりかた

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たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)
ジェイムズ,ジュニア ティプトリー 浅倉 久志 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
早川書房 (1987/10)
売り上げランキング: 5377
おすすめ度の平均: 4.5
4 おっさんとしては第2話かな
4 タイトルに惹かれました
4 表題作のたったひとつの冴えたやり方

またまた、今更。三本の、<リフト>と呼ばれる、物語当時の連邦宙域北辺を中心とした短編を、後の世代の、コメノ(そういう種族。)のカップルが図書館司書モア・ブルー(やはりヒューマン(=地球人)ではない、なにか爬虫類的な種族らしい。)のガイドに従って、研究テーマとして読んでいくという設定で一本に纏め上げた作品です。表題作は、最初の一本。

いずれも、舞台は宇宙空間。二本はファーストコンタクトに関する話で、残りの一本は宇宙奴隷商人が出てきたりして、かなりスペオペ風味があふれているので、一般的日本人が想起するSFのイメージに近いのだろうと思います。おそらくは相当にとっつきやすい一本だと思います。

幼年期の終り

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幼年期の終り
幼年期の終り
posted with amazlet on 07.09.14
アーサー・C・クラーク 福島 正実
早川書房 (1979/04)
売り上げランキング: 2520
おすすめ度の平均: 4.5
5 現在を見ているようで怖い
5 これぞ、SF黄金期!
3 地球文明イコール欧米先進国文明?

今更こんなものをシリーズ第二弾です。はい、この勢いで2001年シリーズも読むべきでしょうかね?とりあえず、これは十代の頃読みそびれて、そのまま読まずにここまできてしまった本です。読んでおけばよかったね。これも面白い本でしたよ。

人類は、ある日突然やってきた異星人、上帝(オーバーロード)の支配を受け入れます。時まさに、宇宙時代の幕開けを迎えようとしていた、その時にです。彼らは、地球を支配するといっても、必要最低限の干渉をするに留め、結果、戦争とそして宗教と科学を葬ってしまいます。

人類は、もたらされた平和のうちに発展を続けますが、真に創造的な活動は行なわれなくなります。それでも、人々は黄金時代と呼べるほどにシアワセな世代を過ごし、そして、その後に、そのときを迎えるのです。

似たような感じの本を昔読んだことがあるなぁと、思ったのですが、それは多分、新井素子の…絶句だと思います。アレに出てくるタイレニイの人々(ちょっと違っているかも。何しろ二十年位前に読んだっきりなので。)というのが、本書のオーバーロードとオーバーマインドを足したような存在というか、いや、スタートレックのバルカン人というべきか、ともかく、地球人は孤独ではなく、より高次の存在に守られ、そしてそういうものへの進化の途中であるというような話がかぶる所があるカンジだったのです。勿論、新井素子の方が恐らくは影響を受けているのでしょう。

夏への扉

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夏への扉
夏への扉
posted with amazlet on 07.09.12
ロバート・A・ハインライン 福島 正実
早川書房 (1979/05)
売り上げランキング: 4225
おすすめ度の平均: 4.5
5 猫好きには本当にお薦め
5 世界はどんどん良くなっている
5 猫とロマンティック

世間は、安倍総理辞任で騒然としています。彼が夏への扉だと思って一年前に開いた総理大臣への扉は、どうやら夏への扉ではなかったようですね。さて、それはおいておいて、ハインラインの夏への扉は、ヨカッタです。天使が開けた密室が、ちょっとアレだったので、今度は、妙な浮気をせずに買いました。そもそも、一昨日、買おうと思って戸塚の有隣堂で検索端末に「書名: なつへのとびら」と打って検索したら、同名のマンガだけしか検索されず、早川文庫だけに絶版かよ、と思いましたが、諦めきれず、昨日「著者名: はいんらいん」で検索したら、在庫アリと出ました。はい、どうして、書名では検索されなかったのかは謎ですが、入手できたので良しとします。

A・P、
フィリス、
ミックとアンネットほか
世のなべての猫好きに
この本を捧げる

巻頭にこのように書かれており、この本の主役の一人(?)は猫のピートです。彼があると信じて疑わない「夏への扉」、ピートはそれを見出すに至りませんでしたが、主人公のダニィは、彼にとってのそれを見出します。未来に、科学にゆるぎない信頼と希望とに溢れていた時代のシアワセなSF小説です。

主人公は1970年から、冷凍睡眠で2001年へとやって来ます。著作自体は1957年時点ですので、1970年および2001年時点の社会やテクノロジは予測なわけですが、それほど外していないという感じを受けました。そう、舞台を非常にすんなりと受け入れられるのです。これが、物語に引き込まれるひとつの大きな要因になっているでしょう。勿論、冷凍睡眠も文化女中器もフレディも実現していませんし、月や火星などへの定期便も開設されていません。風邪も根絶されていなければ、六週間戦争なる核戦争を経験しながらも核の冬も迎えずに東部アメリカは壊滅していても平然と暮らしていることに違和感を覚えたりもしますが、許容可能な範囲のずれでしかありません。

物語の前半で、会社、特許、そして猫のピートまで次々と失った主人公は、後半で、次々とそれらを取り返していくわけです。タイムパラドックス的な問題はあるんですが、その辺はうやむやに。物語は時間を行き来しつつ素晴らしい展開を迎えます。あっという間に物語りに引き込まれ、そして終わりまで一気です。そして猫のピートは今日も夏への扉を探しているのです。

天使が開けた密室

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天使が開けた密室 (創元推理文庫)
谷原 秋桜子
東京創元社 (2006/11/30)
売り上げランキング: 199910
おすすめ度の平均: 4.0
5 江戸言葉が語る本格探偵小説
3 仲良し女子高生3人組物語

昼に、月刊コミックREXを買いに、アトレの有隣堂へいったら、置いてませんでした oTL
あそこの有隣堂は、漫画関係にあまり優しくないからなぁ。仕方がないからこっちは、帰りに戸塚の有隣堂でゲットするとして、手ぶらで帰るのもなんなので、今日の早川さんに、刺激も受けたことだし、手ごろそうなSFの文庫でも買って行こうかなと、グレッグ・イーガンあたり(勿論、今日の早川さんで取り上げられていたからである。)をぱらぱらとめくっていたら、下に平積みになってこの本がありました。

SFじゃなくてミステリーですが、富士見ミステリーから版元を変えてまで復刊したもののようですから、期待が持てるんじゃあないかと。結論からいうと、そうですね、イマイチでした。まず、導入が長すぎるのです。なんというか、半分以上は導入だったのではないでしょうか。「あたし」という一人称視点の、ライトノベルにありがちなスタイルのため、「あたし」の行動につれて、登場人物が、徐々に現れ、そして、その説明がなされていくので、関係者一同が全て登場するまでが長いこと長いこと。

そして、事件は起こります。密室殺人です。イキナリ主人公が被疑者ですよ。そう、主人公は探偵役ではなく、単なる巻き込まれ体質のヒトでした。真の探偵役は隣人の大学生なのですが、相性が悪いと導入で描いていた人物が、いくら隣人とはいえ、わざわざ殺人事件に首をツッコムとは...。

密室殺人...ミステリーとしては王道とでもいうべき素材でしょうか...の種明かしが始まるのですが、なんといいますか、その、犯人の動機付けが、なんというか釈然としないというか。神視点で見ているはずの読者にも釈然としないものを、伝聞で人間関係を聞いただけの大学生が簡単に解き明かしてしまうという不自然さというのが気になって気になって...。続編が二冊刊行されていますが、ちょっとやめとこうかな?という感じです。昼休みの間に読めてしまうのはライトノベルの面目躍如といったところでしょうが、犯人を推理する気力も起きないのでさらりと流れて行ってしまったというのが正解に近いかもしれません oTL

ただ、表題作の他に「たった、二十九分の誘拐」という短編が、同じ登場人物で収録されているのですが、こちらは、テンポを悪くしている導入もなく、事件の動機付けも納得のもので、ライトノベル・ミステリーとしては中々の出来ではないかと思いました。作者が短編集でも書くことがあったら、読んでみたいと思いました。

今日の早川さん

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今日の早川さん
今日の早川さん
posted with amazlet on 07.09.07
coco
早川書房 (2007/09/07)
売り上げランキング: 75

新刊発売日は何があろうと書店襲撃決行(p.52 「己の欲望に忠実たれ、とオタクは言った」一コマ目より)...と、この発売日の荒天を見越したかのような状態でしたが、買って来ました。

今日の早川さんは、ウェブ上で連載されている、SF好きの早川さん、ホラー好きの帆掛さん、純文学好きの岩波さん、ライトノベル好きの富士見さん、そしてレアもの好きの国生さんが繰り広げる、本好きな女の子たちの日常を描いた四コママンガです。早川書房より堂々の書籍化。

微妙に、手が入っていますが、基本はウェブ上の作品のまま。量の多いテキストでの解説?ツッコミ?はコマ横にまとめられてはいますが、それも基本そのままです。なのに、ウェブ上の作品も全て閲覧可能なままと、作者も早川書房も大変太っ腹です。勿論、書籍版にはオリジナルというか書き下ろしというかの要素もありますので、ウェブをみて、お気に召したら「書店襲撃決行」です!!

ローマ人の物語(31)

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ローマ人の物語 31 (31) (新潮文庫 し 12-81)
塩野 七生
新潮社 (2007/08)
売り上げランキング: 84

コモドゥス帝の治世の終了から、内乱の時代へ。ローマは徐々に国力を疲弊させ始めます。終わりの始まり(下)は、もう、この時点でかなりどうにもならなくなってきている感じが描かれています。

ところで、帯の裏に重要なことが書かれているのを発見しました。文庫版は、以後年に一回、単行本一巻分ずつを文庫化して刊行する予定だそうです。つまり、XII (2008年), XIII (2009年), XIV (2010年), そして XV (2011年)という刊行予定になるようです。最後までまだあと四年かかるのかぁ。